CB1300SF SPの車種プロフィール
今回紹介する「CB1300SF SP」は、2019年に発売された水冷4ストローク・4気筒の1300ccエンジンを搭載するロードスポーツモデル。スタンダードモデルのCB1300SFをベースに、オーリンズと共同開発した専用フロントフォークとリアサスペンションを搭載。さらに、フロントブレーキにはブレンボのラジアルマウント式モノブロック対向4ポッドキャリパーを採用して、スポーティな走りを追求しつつも快適な乗り心地にもこだわった『文武両道』とも言える仕上がりのモデルである。
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バイクインプレ
車両の特徴
車体サイズは全長が2200ミリ、全幅795ミリ、全高1135ミリ、シート高790ミリ、ホイールベースは1520ミリで、車両重量は268kgとなっている。
キャスター角は25.0度、フロントに120/70-17インチ、リアに180/55-17インチのタイヤサイズを採用。前後ともにキャストホイールにチューブレスタイヤを装着している。
エンジンは水冷4ストロークDOHCの4気筒。ボアストロークは78.0ミリ×67.2ミリのショートストローク。圧縮比は9.6で最高出力は110馬力/7250回転、最大トルクは118Nm/5500回転。燃料供給はフューエルインジェクションを採用。トランスミッションは6速仕様だ。
走り
限られた状況ながらも確かに感じられるオーリンズの素晴らしさ
前後ともにオーリンズとの共同開発による専用サスペンションを搭載していることが、最大の売りのひとつである”SP”だが、実はスタンダードモデルであるCB1300SFの足回りも絶品と言えるほど素晴らしく、オーリンズにも決して引けを取らないくらいの走りを十分に堪能できる。ただ、今回のように高速道路でスロットルを大きく開けたとき、特にリアの足回りが路面をしっかりと捉えて268kgという決して軽くはない車体を前方にグイッと押し出してくれる感覚がとても上質で、確かにスタンダードモデルを上回っている。また、直進安定性に優れていながらも、車線変更では意図する方向へ軽快にスパッと決められるというのも、スタンダードモデルの素性の良さに加えてオーリンズによるチューニングが効いているのだと思われる。
分厚いトルクがヒシヒシと感じられる空冷のような水冷エンジン
水冷直列4気筒の1300ccエンジンは、まるで空冷エンジンかの如くゴリゴリとした細かいバイブレーションを伴いながら、トルクフルに回ってくれるという印象が強い。諸元で見る限りでは最大トルクを5500回転で118Nm発生するとあるが、実際5000回転くらいまで回せばそのトルクの頂点をしっかりと感じさせてくれる。もちろん諸元が示す7250回転で110馬力というピークパワーを求めて、回転数を上げていけばシャープな立ち上がりを見せてはくれるが、やはりこのエンジンは馬力の高さではなく、分厚いトルクを感じられることが真骨頂ではないかと思える。