三國ケネディエブス(アビスパ福岡)

11月4日に行われたYBCルヴァンカップ決勝で浦和レッズを下し、クラブ史上初となる国内3大タイトルの1つを獲得したアビスパ福岡。そんな福岡の青森山田高校出身選手と言えばDF三國ケネディエブスが挙げられる。高さを武器に学生時代はFWとしても鳴らした選手で、2019年に福岡へ入団して以降も度々最前線で起用される姿が見られている。

しかし、いずれのポジションでも定位置を掴むまでには至らず、2021シーズンから翌2022シーズン途中までは栃木SCへの武者修行に出ていた。昨季途中で福岡に戻るもスタメンで出場している選手たちの壁は高く、今2023シーズンもスタメン出場はわずかに5試合のみ。持っている魅力の割に活躍の場が限られている。恩師である黒田監督率いる町田では、今季センターバックとして出場した選手のうちDFカルロス・グティエレスが夏に移籍。また、浦和から期限付き移籍中のDF藤原優大(青森山田高校出身)の去就も不透明だ。それだけに、23歳という年齢的にも評価できる三國を町田が望んだとしても不思議はない。


MF武田英寿(大宮アルディージャ所属時)写真:Getty Images

武田英寿(水戸ホーリーホック)

今2023シーズンは、所属元である浦和レッズから水戸ホーリーホックへ期限付き移籍中のMF武田英寿。彼もまた黒田監督の教え子である。昨年は大宮アルディージャで31試合に出場。ゴールに直結する働きこそ少なかったが、チームのJ2残留に貢献している。今季水戸では、J2で2位タイとなる9アシストをマーク。質の高いキックにはますます磨きがかかり、セットプレーやクロスなどで多くのチャンスを演出している。高校時代には背番号「10」を背負い、浦和でもカップ戦で早々にデビューを飾ったが、2021年途中に武者修行に出てから早くも3シーズン目となっている。

武田自身が確実にレベルアップしていることを踏まえてもなお浦和の選手層は分厚い。中盤には今年日本代表としてもデビューを果たしたMF伊藤敦樹や今季はスタメンフル出場も多くなっているMF安居海渡など、年齢的にも高い評価を得ている選手が多くいる。武田がチームに戻ったとして、必ずしも出場機会が確保されているとは言い難い現状だ。チームへの高い貢献度から、水戸としても当然帰したくない選手だろうが、恩師でありJ1昇格を果たした黒田監督からの誘いがあれば気持ちが揺れることも間違いないだろう。