ウサギは日本でも人気のペットであり、犬や猫ほどとまではいかなくても多くの人が飼っています。
そんなウサギですが、明治時代の初頭にはものすごい人気を博しており、投資目的で飼育している人さえいました。
果たして明治初頭のウサギバブルではどのようなことが起こったのでしょうか?
またウサギバブルの後のウサギはどのような扱いを受けたのでしょうか?
本記事では明治初頭のウサギバブルの狂騒について紹介しつつ、そのバブルの末路について取り上げていきます。
なおこの研究は、東京大学大学院教育学研究科紀要51巻p.363-375に詳細が書かれています。
目次
- ウサギ一羽に1千万円以上の価値がついた明治時代
- ブームが終わるとゴミのように扱われたウサギ
ウサギ一羽に1千万円以上の価値がついた明治時代
日本におけるウサギの飼育は、戦国時代に貿易にきたオランダ人がペットとして飼育するようになったのが由来であるとされています。
やがて江戸時代に入ると、ウサギの飼育はある程度広まっていきました。
しかしウサギは高価だったこともあり、飼育していたのはもっぱら裕福な商人だったのです。
なおその時飼育されていたのはアナウサギを改良したウサギであり、現在世界中で広く飼われているカイウサギの先祖です。
日本の里山には当時からノウサギが生息していたものの、ノウサギがペットとして飼われることはありませんでした。
やがて明治時代に入り文明開化の流れが進むと、外国文化が流行したこともあり、ウサギブームが巻き起こりました。
特にまだら模様のウサギが人気を博したとのことであり、オスは15両(現在の価値で30万円、1両2万円で換算)、メスは60両(現在の価値で120万円)、妊娠したウサギは80両(現在の価値で160万円)の価格で取引されていました。