【最近気になる注目ワード・61】だしの効いたつゆにさまざまなトッピングが楽しめるうどん。薄い昆布だしが主流の関西、濃い目のだしを使う関東など、うどんや蕎麦には地域性が出がち。実は「たぬきうどん」についても、「たぬき」という言葉の意味が関東と関西で全く異なるという。それぞれの地域が持つ特徴を詳しく見てみよう。
関西の「たぬき」は「油あげがのった蕎麦」
関東では一般的に、「たぬき」といえば天かすがトッピングされたうどんのことを指す。名前の由来としては、「天ぷらの具材となる中身(タネ)が入っていない」ことから、「種抜き」が転じて「たぬき」となった説が有力なよう。同じように、天かすがのった「たぬき蕎麦」も関東ではメジャーなメニューの1つだ。
一方で関西で「たぬき」といえば、油あげがのった蕎麦のことを指すのが基本のよう。油揚げをトッピングした蕎麦といえば、関東では「きつね蕎麦」と呼ばれるが、関西ではそれを「たぬき」と呼んでいるのだ。しかも、「たぬきうどん」は基本的に存在しないという。
もともと「たぬき」は江戸時代の終わりに関東で生まれたが、当時の関西では天かすののった蕎麦は広まることがなかった。そのうち「きつねがうどんなら、たぬきは蕎麦だろう」と、油揚げののった「たぬき蕎麦」のみが食べられるようになったとも言われている。
京都の「たぬき」は「あんかけうどん」
さらにややこしいのが、京都に行くと「たぬき」といえば「あんかけうどん」のことになる。細切りにした甘辛い油揚げにあんがかかったものを「たぬき」と言うそうだ。
また、関東で「きつね蕎麦」、関西で「たぬき」と呼ばれる、大きな油揚げののった蕎麦のことを、京都では「甘ぎつね」と呼んでいる。
地域によってまったく違う「たぬき」メニュー。いつもとは違う地域で「たぬき」を食べるときは、注意して注文する必要があるかもしれない。(フリーライター・井原亘)
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■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
提供元・BCN+R
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