元ヴィッセル神戸指揮官のトルステン・フィンク氏が、2023/24シーズン終了後にベルギー1部シント=トロイデン(STVV)からKRCヘンクへ移った理由を説明。STVVに対して否定的なコメントも残している。
2017年11月にインターネット関連の事業を手掛ける合同会社『DMM.com』が経営権を取得して以降、日本人選手を多く獲得しているSTVV。MF鎌田大地(クリスタル・パレス)、DF冨安健洋(アーセナル)、MF遠藤航(リバプール)、GK鈴木彩艶(パルマ)と日本代表の主力選手も輩出している一方、のべ9人の監督が指揮。監督交代の頻度が多いクラブとして、ベルギー国内では知られている。
神戸時代に天皇杯優勝を成し遂げるなど、以前から日本サッカーと縁のあるフィンク氏は、2023年夏からSTVVを指揮。鈴木をはじめ日本人選手の指導に当たっていたが、わずか1シーズンでチームを去っている。
ベルギーメディア『Het Laatste Nieuws』が11月2日に伝えたところによると、現ヘンク指揮官のフィンク氏は「STVVで指揮をしている時間は好きだったが、長期的な観点だとSTVVは成功しない」と古巣に言及。「2023/24シーズン終了後にKVCウェルステローの幹部とも話し合ったが、ウェルステローよりもヘンクに行きたかった」と語ったという。
またベルギーメディア『Voetbal』は、フィンク氏のSTVV退団について「経済的な側面やシーズンの結果のみならず、直近数ヶ月でクラブ幹部やスタッフとの間に亀裂が生じたことも、STVV退団の原因である」と、クラブ内で問題が起こっていた可能性を指摘している。
なお日本代表MF伊東純也(現スタッド・ランス)の古巣であるヘンクは、ベルギー1部リーグ第12節終了時点で9勝1分2敗で首位。クラブ・ブルッヘやロイヤル・アントワープと上位争いを繰り広げているだけに、フィンク氏の選択は現時点で正解と言えるだろう。