自動車の運転免許を取得する際、教習所に通う期間は一般に数週間から数ヶ月間です。短い間ではあるものの、期待と不安の入り交じった日々を鮮明に覚えている人も多いでしょう。
なかでも強く印象に残るのが、「個性的な教習指導員」かもしれません。今回はドライバーの方々に、「教習所にいたクセの強い指導員」についてのエピソードを聞きました。
教習生に手を出すナンパ指導員
技能教習の多くはマンツーマン指導で行われるため、指導員とは閉ざされた空間でまとまった時間を過ごすことになります。指導員によっては、雑談などを交えつつ、教習生との心理的な距離感を縮められるよう工夫することもあるでしょう。
しかしなかには、距離感を測り違えてしまっている指導員もいるようで……。
「制服をちょっとラフに着崩した30代の男性指導員。リラックスできる雰囲気を作るのが上手で、自然とこっちもノセられていき、教習中にプライベートな雑談なんかもしていました。
緊張感なく過ごせるので好きだったんですが、4回目くらいにSNSの話になって、『今の子はやっぱインスタ? TikTok?』『いつもどんなの載せてんの?』とか。今思えば怪しいんですけど、話の流れがやたら自然で、普通にアカウントを教えてしまったんです。
その直後はフォローしあうくらいだったんですけど、卒業してからDMが届いて。最初は運転の不安とかを聞いてきて、そのうち『ドライブ行こうか』みたいに誘ってきたんですよ。
さすがに『これはダメなヤツだ』と思いスルーして、その後も何度か送ってきたのでブロックしちゃいました。多分あの感じだと、何度もそういうのを繰り返していて、結構うまくいっちゃうパターンもあるんだと思います」(20代女性)
緊張や不安を抱えている教習生にとって、こちらの気持ちに寄り添ってくれる指導員は非常にありがたく感じられるものでしょう。しかし上のお話においては、教習生の気持ちを逆手に取って、「あわよくば」を狙う心理が読み取れます。
優しくしてくれる指導員に恋愛にも似た感情を抱いてしまう「教習所マジック」といった言葉もあるようで、お互いの距離感には注意しておきたいところです。
子どものカンシャクみたいな奇声が…
教習所にかぎらず、教える立場の人から「理不尽な怒り方」をされると、教わる側としてはどう対処していいのかわからなくなってしまいます。もちろん正しい知識を伝えるうえでは、厳しい指導が必要な場面もあるかと思われますが、なかには感情がコントロールできていない指導員もいるようです。
「指導されたとおりに運転できないと、すぐに『なぁー!』『もぉー!』みたいに声を荒らげる指導員がいて、ほんとに苦手でした。50代くらいの男性でしたが、ミスした瞬間にそんな声を出してくるので、結構トラウマですね。
もちろん奇声のあとには『ちゃんと寄せろっていったでしょ!』みたいな注意が来るんですけど、第一声がカンシャクを起こした小学生みたいな叫び声で、心臓に悪かったです」(30代男性)
右も左もわからない状態で、いきなり大きな声で叫ばれたら、こちらとしても縮み上がるしかありません。教習生に緊張感をもたせることは大切ですが、あまりに脅迫的になってしまっては、身につけられる知識も抜け落ちてしまうでしょう。
まって、ほんとに隣に乗ってる?
多くの教習生にとって、「厳しすぎる指導員」はできれば避けたい存在だと考えられます。しかし反対に、指導がザルすぎるケースも考えものでしょう。
「結構高齢の男性指導員で、教習中に『寝てるのか?』と思うくらい静かな指導員がいました。助手席にいても存在感がないし、指示も最低限なので、前を見ていると『あれ? ほんとに乗ってる?』と思うこともしょっちゅうでした。
ちなみに、その指導員に注意やアドバイスをもらったことは一切ないです。『次を右に曲がってください』みたいな定型文しか喋らなくて、『この時間は一体何なんだろう』とずっと思ってましたね」(20代男性)
運転の「いろは」を学んでいる教習生は、「何が当たり前なのか」を完璧には把握しきれていないものです。よい判断や操作は褒め、危険につながるポイントはしっかりと注意することは、交通安全の意識を育む指導員としての義務だと考えられます。
上のお話のように、教習中にまったく指導をしない姿勢は、「職務を放棄している」と受け取られても無理はないでしょう。
近年では少子化などを背景に競争が激しくなり、教習所のサービスは著しく改善しているともいわれます。しかし現在でも、理不尽な指導員からヤル気の感じられない指導員まで、「これはさすがに……」と思ってしまうようなケースはまだまだ残っているようです。
みなさんは教習所で、どんな指導員に遭遇したことがありますか?
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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