KFAのチョン・モンギュ会長 写真:Getty Images

 10月29日、韓国ソウルで開催されたアジアサッカー連盟(AFC)の表彰式に合わせて、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が韓国サッカー協会(KFA)のチョン・モンギュ会長と会談し、韓国代表監督選任に関する問題について「理解できない」との疑念を示したようだ。

 この背景には、韓国国内でKFAの韓国代表監督の選任過程の不透明さが批判されており、インファンティーノ会長がFIFAとして重視する「スポーツの自律性」が脅かされていることがあると見られる。

 インファンティーノ会長は「サッカー協会のトップが責任を取るべきではないか」と述べ、KFAの管理体制に対する不信を明らかにした。これが、会長が韓国サッカー協会に「理解できない」と伝えたワケのようだ。

 KFAは現在、政府の監査や国会での追及を受けており、選任プロセスの透明性が厳しく問われている。FIFAとしても韓国サッカー界に対し、一層の改善と責任ある運営が求められている。

 一方でインファンティーノ会長は、韓国文化やKFAの取り組みに関心を示し、特にKFAと韓国政府が協力して建設した韓国チョナン市のサッカー場“天安サッカーセンター”に感銘を受けたと述べた。

 施設の取り組みを称賛し「他国にも紹介したい」と述べる一方で、FIFAが求める自律性と透明性の重視、そしてKFAの責任を強調することが期待されていると考えられる。このようにFIFAの方針とKFAの姿勢の違いが明確になり、韓国におけるサッカー運営の課題が一層浮き彫りとなった。