たかが痔の出血とあなどっていると貧血になることもあります。

「本当は貧血になる前に治療してほしいです。痔からの出血で貧血になることがあります。どれくらい出血したら貧血になるのかは患者さんによっても違いますし、ケース・バイ・ケースです。ちょっとくらいの出血だから大丈夫だろうと思っていたら、長年続いて貧血が進行し、重症になっていたりすることもあります」(佐々木さん)

「貧血になると症状があるから分かるでしょ!と思うかもしれませんが、気付かないうちに進行していることもあります。特に少量の出血が毎日、何年も続いているケースに多いです。ちょっとずつ血液が失われているため、体が適応しているのでしょう」(同)

佐々木さんは、薬や注射療法で出血を抑えても「痔の原因になった便通を治さなければ痔を繰り返す」と言います。痔の根本治療は便通を治すことであり、そこを直さずに手術だけ受けても効果的ではないようです。さらに生活習慣の改善なども必要になります。

最近、医学書にもない肛門トラブルが増加しています。日本人の「オシリ」が大ピンチに見舞われているのです。この機会に正しい情報を収集してみてはいかがでしょうか。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)