イ・ガンイン 写真:Getty Images

 リーグ・アンのパリ・サンジェルマンに所属する韓国代表MF李康仁(イ・ガンイン)が、10月25日の公開練習中にファンから「中国人」と呼ばれ、人種差別的な発言を受けたとコリア・ジュンアン・デイリー(韓国中央日報)が報じた。

 『Paris Vibe』というパリのサポーターとみられるXアカウントで共有された動画で、ファンがPSGのトレーニングセンターを訪れ、マルセイユ戦(10月28日3-0)を控えた選手たちとハイタッチしていた。その際のイとのやり取りの中の「さあ、私の中国人よ(Allez mon chinois)」という発言が、人種差別ではないかと拡散されている。

 同メディアは、韓国人に対して中国や他のアジア国籍名で呼ぶことには、アジア人全体が同じに見えるという偏見が含まれており、人種差別的な意味合いがあると伝えている。

 PSGに昨2023/24シーズンに加入したイは、今やチームの重要な存在となっており、人種差別の対象になったのは今回が初めてのようだ。欧州では韓国人サッカー選手への人種差別は珍しくない。

 2022年には、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ(イングランド)の韓国代表FWファン・ヒチャンも、ポルトガルのファレンセとの親善試合で差別発言を受けている。2024年の夏には、トッテナム・ホットスパーの韓国代表キャプテンFWソン・フンミンが、同僚MFロドリゴ・ベンタンクールから「韓国人はみんな同じ顔」という冗談を言われる事件も起きていた。

 現時点で、イやPSGから公式なコメントは出されていないが、欧州ではアジア人を見るとすぐに「ニーハオ」などと中国語で反応されることは日常茶飯事であり、アジア諸国の状況を学校で教えられることが少ないのかもしれない。