日本各地で販売されているご当地インスタントラーメンをいただき、旅行気分を満喫するべくスタートしたこの企画。今回は関西より奈良県、和歌山県、大阪府の商品をピックアップ。それぞれが特有のラーメン文化をもつエリアだけに、バラエティー豊かなものが集まった。ではレッツ食べ比べ。
有名ブランドラーメンから未知なる味まで幅広い3商品をピックアップ
関西ラーメン通は必食のスタミナラーメン
寿がきや食品「奈良天理 醤油ラーメン」
最初にいただいたのが奈良エリアのご当地ラーメン、スタミナラーメンを世に広めた「奈良天理ラーメン」の一杯。奈良のスタミナラーメンというと、白菜、豚バラ、ニンニク、ニラなどをラー油で炒めた具材が特徴的だが、いつも通り具なしでいただく。
見た目はよくあるインスタントの醤油ラーメンのよう
作り方は通常のインスタントラーメン同様、麺を茹でた鍋に液体スープを入れると完成。スープからはとくにニンニクの香りなどは感じないが、さてお味の方はどうか。
若干細くちぢれた、コシのあるノンフライ麺
まずはスープからズズズイっといただくと「ほうほう、白菜が入っていないけどその甘味をしっかりと表現していて、こりゃうめぇー!」。丁度いい濃さの醤油ベースで、ニンニクや辣醤の風味がいい塩梅にきいており一般的な醤油ラーメンとは明らかに違う仕上がりになっている。
お次は麺をズルズルっとすすってみると、ほど良い甘辛スープが縮れ麺によく絡んで、豊潤な出汁の味わいが口に残る。ノンフライ麺のしっかりとした歯応えや喉越しも魅力で、こいつはよく研究されて作られた一杯。スタミナラーメンの具材を加えると、もっとおいしくいただけること間違いなし。
総評
ご当地感 ★★★★★
汁の個性 ★★★★☆
麺の個性 ★★★★☆
お土産度 ★★★★☆
合計 17ポイント
スタミナラーメン文化が根付いている奈良のラーメンとあって、ご当地感は当然マックス。強烈なパンチ力の個性ではないがこのエリア特有の味わいであることから、全体的に高い星を獲得した。
ご当地ラーメン文化を牽引する実力派
五十嵐製麺「和歌山ラーメン 豚骨しょうゆ味」
次はご当地ラーメンという文化を生み出したといっても過言ではない、和歌山ラーメンの登場。90年代に話題となり、全国のラーメンファンがこぞって現地まで味を運んだというブランドラーメンだ。
スープはやや濁った茶色。醤油のいい香りが漂う
こちらの作り方は、奈良天理ラーメンと同様なので割愛する。出来上がりを見てみると、なんの変哲もない様子に逆に王者の風格すら感じるから不思議だ。
喉越しのいいストレートの低温熟成乾燥麺
それではスープからゴクゴクっといただいてみると「んー、豊潤な醤油の味わいがたまらん~」。茶色く濁った色からそこそこのこってり味を想像していたが、大間違い。超マイルドな醤油豚骨で、1口目から全身に染み渡るような感覚。
低温熟成乾燥麺とやらをズルルルっといただくと、つるりとした食感が特徴的で、箸がとまらなくなる。インスタントラーメンながら、「かなりの完成度ですぜ!」。さすが、横浜家系や次郎系などガッツリ系豚骨醤油が人気を博す現在のラーメン界の中で、永きに渡って注目され続ける実力派の味わい。マイルド系醤油豚骨の底力を感じる旨さだった。
総評
ご当地感 ★★★★★
汁の個性 ★★★☆☆
麺の個性 ★★★★☆
お土産度 ★★★★★
合計 17ポイント
クオリティが高く、もちろん美味いんだけど「個性」として考えた時に、今やマイルドな豚骨醤油がそれほど珍しいものではないことが少々足を引っ張ってしまった。それでも17ポイントの高得点。