米放送局「CNN」が世界の終わりを前にして流す最後の映像が存在した。
「Turner Doomsday Video(ターナーの終末映像)」と題された映像は、CNNの創設者テッド・ターナーの映像が作成を指揮したといわれ、その存在は20年以上前にターナー自身が明かしていたが、当時は誰もそのことを信じていなかったという。
一方、ターナーは過去に「衛星の問題がなければ、世界が破滅するまで放送を止めることはない。世界の終焉を生中継で報じる。それが私たちの最後のイベントになる。国歌斉唱は6月1日(CNN開局日)に一度だけ行い、世界の終わりが来たら、放送停止をする前に『Nearer My God To Thee』を演奏する」と公言していた。
世界の終焉を生中継し、通信網の障害で必然的な放送停止が起こる前にCNNの職員が最後にしなければならない仕事が、ターナーの終末映像の再生だというわけだ。
その映像は2015年にオンラインメディア「Jalopnik」が報じた。1980年代に収録された終末映像には、ターナーの言葉通り、ブラスバンドが「Nearer My God To Thee」を荘厳に演奏している様子が映し出されている。
80年代の映像のためか、画質は粗く、暗いイメージで、なんともいえない不気味さを醸し出している。最後に観ることになるのがこの映像だとしたら、どんな悲しみに襲われるだろうか。おそらく平穏な気持ちで最期を迎えることは困難だろう。
この曲はタイタニック号が沈没する前に最後に演奏された曲だと言われており、最期を迎えるに最適な曲だと判断されたのだろうか。正直なところ、日本人にはあまり馴染みがない曲のせいか、さらに沈鬱な気持ちになる。
映像は現在、CNNのアーカイブシステム上に「Turner Doomsday Video」という名前で保存されており、終末の日に放送されるのを待っているという。
終末映像の噂はかなり前から広まっており、1988年に『ニューヨーカー』で報じられたのが初出だという。その後も2001年に『デイリー・ニュース』が取り上げたことで、噂が再燃した。
Jalopnikの担当者は、映像を入手した経緯についてこう語っている。
「この記事がアップされてから、どうやって映像を入手したのかという質問が相次いでいます。具体的な内容には言及できませんが、2009年に私がインターンだったときから、ずっと手をこまねいていたわけではありません。当時からその存在は知っていたものの、私がここJalopnikに乗り込んでから獲得したものです」
最近は世界情勢も緊迫してきているが、この映像が放送される日だけは来ないことを祈りたい。
提供元・TOCANA
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