上田綺世 写真:Getty Images

 オランダ1部フェイエノールトでプレーする日本代表FW上田綺世。現地メディアが日々その活躍に様々な反応を見せる中、オランダのサッカーメディア『1908.nl』は、上田が得点後に見せる一瞬の笑顔に注目している。

 普段は無表情を貫き“笑わない日本人”として知られる上田だが、得点を決めた際にのみ控えめに笑みを浮かべることが、チーム全体の好調さの象徴と見なされているようだ。

 この文化的背景を理解するために、タケオ・ハヤカワ氏の著書『The Japanese Cannot Laugh(日本人は笑わない)』が紹介され、日本人が公の場で感情表現を控えがちな点が解説されている。この書籍は日本国内で販売されておらず、海外でのみ出版されているようだ。

 著書の内容は、日本人とオランダ人の間にある感情表現の違いに焦点が当てられており、著者が1970年から1995年にかけてオランダにあった日本の造船事務所に勤務した経験をもとに執筆されたもの。特に日本人が公の場で歯を見せて笑うことを避け、無表情や控えめな態度を保つ傾向があることが強調されており、上田の無表情もこの文化的影響を受けたものだと説明されている。

 上田は試合の大半では無表情だが、リーグのトゥウェンテ戦(10月5日2-1)や欧州CLベンフィカ戦(10月24日3-1)で得点を決めた際に見せた笑顔が注目されている。特にベンフィカ戦での2点目をVARで取り消される直前には、歯を見せるほどの笑顔が捉えられた。

 同メディアはこの瞬間を「上田が笑うとき、フェイエノールトは順調だ」と表現し、上田の笑顔がチームの好調さのバロメーターとなっていると指摘している。

 フェイエノールトのブライアン・プリスケ監督やスタッフも上田の成長に期待を寄せており、彼がチームの戦力として今後どのように存在感を示すかが注目されている。