石破茂を貶めたい森山幹事長は、石破茂をトップの座から自分諸共引き摺り下ろす為、敢えて汚名を被りながら執行部に残る選択をした。つまり、石破茂にノーを突き付けるのが森山幹事長の使命だと考えているのではないだろうか。森山幹事長は将来の自民党を背負う小泉進次郎を、石破茂諸共凋落させるわけにはいかないと考えたのだろう。

政治資金規正法上の不記載問題があったとはいえ、仮に高市早苗総裁だったら、小泉進次郎総裁だったら、今回の衆院選の結果は大きく違ったものになっただろう。

以前も指摘したが、自民党総裁選で石破茂が選出された時から、今回の衆院選大敗の結果は見えていたのだ。

野党は躍進したのか?

では、そんな自民党に比して野党はどうかと言えば、ただ自民党不支持の結果、議席を得たに過ぎない。

今の野党で政策面で自民党と互角か、場合によっては自民党の政策を凌駕するものを提示できているのは、国民民主党くらいのもので、あとは似たり寄ったりだ。一部には、今回の衆院選で日本維新の会の躍進を期待した支持者もいるようだが、結果的に議席を減らしてしまった。

第三極として期待されてきた日本維新の会であるが、強固な地盤を持つ関西圏以外では目立った候補者はいない。これは政策面での弱さを物語る。本来、自民党が弱腰の選挙を行えば、そこに商機を見出すのが政治の倣いだが、日本維新の会に風は吹かなかった。それは政策面の弱さの表れだ。

自民党支持層離れが加速すれば、当然、有権者の保守層の取り込みが必須となるが、そこで差が出たのが今回の衆院選であり、議席数を4倍に増やした国民民主党との違いは政策面だけだったと言ってもいい。より有権者の生活実感に近い具体策を打ち出し、現実路線で政治を変えようとしている国民民主党に負けた。