地球外生命体の探索といえば、地球のように生命を育む条件が揃った惑星に焦点を当てるのが一般的だった。しかし、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校などの研究チームが学術誌「アストロバイオロジー」に発表した最新の研究では、従来の常識を覆す驚くべき可能性が示唆されている。

 なんと、地球外生命体は惑星を必要とせずに、宇宙空間を漂いながら生存しているかもしれないというのだ。

生命の条件に惑星は必須ではない?

 地球は、重力、厚い大気、炭素や酸素といった豊富な化学元素、そして太陽からのエネルギー供給など、生命を維持するための理想的な条件を備えている。そのため、これまで地球外生命体の探索は、地球に似た環境を持つ惑星に焦点を当てられてきた。

 しかし、今回の研究者たちは、生命は全く異なる環境、つまり宇宙空間を自由に漂いながら存在する可能性もあると主張している。

 突飛な考えのように思えるかもしれないが、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士たちは、地球からの資源供給を受けているとはいえ宇宙空間で生存している。

 より単純な生命体であれば、自力で宇宙空間で生き延びることができるかもしれない。実際、微生物であるクマムシは、真空の宇宙空間でも生存できることが確認されている。