■所持していた手書きのメモがさらに謎を深める

 最初の奇妙な点は、放置された遺体が見つかった現場が、年配の母親と一緒に住んでいた住居から約20マイル(約32キロメートル)も離れていたことだ。マコーミック氏は車も運転免許証も持っていなかったし、現場周辺を通るバス路線などもないのである。

 警察はマコーミック氏の過去の麻薬がらみの軽犯罪や、性的暴行の犯罪歴に鑑みて、何らかの事件に巻き込まれて殺害されたのではないかとも考えたのだが、殺人事件であるという物理的な証拠もなければ、犯行の動機も容疑者もまったく見当がつかなかった。自殺である可能性はそれよりもさらに考え難いことであった。

 入念な検死が行われ、遺体には銃弾やナイフの傷の痕跡は見つからなかったものの、マコーミック氏が慢性的な心臓と肺の問題を抱えていたことがわかった。死因がこれらの症状からくるものであるという科学的根拠はなかったが、その可能性もゼロではない。

 そしてマコーミック氏の衣服のポケットから2つの手書きのメモが見つかった。記されていたのは言葉や文章ではなく、アルファベットと数字で構成された不可解な文字列であった。この文字列はいったい何を意味するものなのか、捜査当局をさらに困惑させた。

謎の暗号メモ、“全てが不可解”な死… FBIが諦めた未解決「リッキー・マコーミック事件」の怪
(画像=「Yahoo! News」の記事より,『TOCANA』より 引用)

 FBIの暗号解読チームとアメリカ暗号協会が解読を試みたが何も手掛かりはつかめず、文字列はまったくの謎のままであった。

 どういうわけかこの一件については当初から秘密にされていて、遺体発見の12年後になる2011年3月29日まで公表されることはなかった。被害者の家族でさえ、このメモについては何も知らされていなかったのだ。

 遅ればせながらこのメモの存在を知らされたマコーミック氏の家族は、このメモを書いたのは彼であるはずはないとコメントした。なぜならリッキー・マコーミックはほぼ文盲で読み書きができず、自分の名前を書くことすら難儀していたのである。母親でさえ自分の息子は知能の発達が遅れていたのだと認めているという。

 この一件で不名誉にもほぼお手上げとなったFBIはこのメモの解読の協力者をウェブサイトで募ることすらしたのだが、それでも解明の糸口すら見つからず人々を困惑させるだけであった。

 詮索好きな人々からさまざまな解釈が語られるようになり、統合失調症の人物による無意味な殴り書きであるという感想から、このメモは麻薬の売人による取引きの符丁(暗号)であるという説、あるいは政府による国家的陰謀の一端であるなどのさまざまな解釈が飛び出すことになった。

 人々の唯一のコンセンサスらしきものは、このメモはマコーミック氏が書いたものではなさそうだという点である。しかしながら、FBIはマコーミック氏が書いた可能性が高いと考えているようだ。

 結局のところ20年にも及ぶ議論、分析、検証の後であっても、このメモの文字列が何を示しているのか誰にもわからないままである。メモの謎をはじめ他殺なのか自殺なのか、あるいは事故死や病死であったのか、他殺であるとすれば誰がどんな目的で殺害したのか、また遺体が埋められずに国道から見える場所に放置されていたのは何故か、この「リッキー・マコーミック事件」はまったく雲をつかむような最も不可解な未解決事件の1つとなっている。真実を知るのは亡くなったマコーミック氏ただ1人ということになるのだろうか。

提供元・TOCANA

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?