全国出版協会・出版科学研究所は、2023年(1~12月期累計)の出版市場規模を発表しました。紙と電子を合算した「出版市場の推定販売金額」は1兆5963億円(前年比2.1%減)となり、2年連続の前年割れとなりました。市場ピーク、1996年(20年前)の2兆6563億円から約6割に落ち込んだことになります。
決戦は土曜日の結果はしかし出版希望者は増加傾向にあります。とくに、ビジネスを指南するビジネス書の市場は活性化しています。サラリーマンや主婦の書いたビジネス書がベストセラーになるなどプレゼンスの高さに注目が集まっているためです。
精神科医の樺沢紫苑さんは、「ウェブ心理塾」という著者を目指す社会人向けの勉強会を主催しています。代表作でもある、『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)がベストセラーとなり注目されている著者です。樺沢さんが主宰している、第12回出版企画書コンペ(2024年7月20日開催)を見学してきました。
(前回:決戦は土曜日!出版の形態と成功への道まで)
出場希望者は、期日までに企画書を送付します。最初に主催者側の審査員数名が審査をおこないます。数年前までは数十名の応募にすぎませんでしたが、知名度アップにより、今回は、109名の応募がありました。
審査のうえ企画通過者にプレゼン機会が与えられますが、予選通過者は25名です。その後、審査員推薦枠で評価の高かった企画者(20名)にもプレゼンの機会が与えられました。
全員がプレゼンを終了したらいよいよ審査になります。イメージは『スター誕生!』に近く、出版社の編集者や出版関係者が面談したい人に採用札を上げます。
過去に参加した出版社を記載しておきましょう。サンマーク出版、ダイヤモンド社、大和書房、東洋経済、ソーテック社、あさ出版、明日香出版社、集英社、総合法令出版、学研、主婦と生活社、ぶんか社、KADOKAWA中経出版など、ビジネス書の大手出版社が勢揃いしています。多くの出版社と関係を持てることは大きなメリットといいえます。