冬の寒さに負けずバイクを楽しむコツ。
それはいうまでもなく防寒対策だ。

今回は、その中心となるウエアの選び方を紹介する。

ウインタージャケットとオールシーズンジャケット

「ウインタージャケット」という表記を頼りに防寒ウエアを選ぶ。
当たり前のようだがこれが基本中の基本だ。

対して、意外とやってしまいがちなのが、秋冬用などのいわゆる「オールシーズンジャケット」を選んでしまうこと。


オールシーズンジャケットは着脱式の防寒インナーが付属している製品が多く、一見すると真冬でも使えそうだ。

もちろん使うことはできるのだが、やはり真冬に特化したウインタージャケットに保温性・断熱性において一歩及ばない。

両者の決定的な違いは「中綿」にある。

・ウインタージャケット　　→中綿たっぷり
・オールシーズンジャケット→中綿すくなめorなし

オールシーズンジャケットの着脱式インナーは、たしかに防寒性能を高めるための装備だ。
が、それはあくまで中綿の少ないアウターを補助するモノでしかなく、快適に使えるタイミングは冬季の前後。
つまりの季節の変わり目までと思っていい。

厳冬期に使うのであれば、やはり中綿たっぷりのウインタージャケットを選びたい。
ただし、ひと口に中綿といっても種類がいくつかあり、それぞれ保温・断熱性・柔軟性などが大きく変わってくる。

中綿の種類

一般的な冬用衣類に使われる中綿の種類は以下のとおり。

ポリエステル：通気性・保温性に優れて安価。
ナイロン　　：高耐久、湿気に強い。
ホロフィル　：ポリエステルの一種。繊維内部に空気を含んだ構造を持つ。軽量で保温性が高い。
ソフトシェル：通気性・弾力性・撥水性に優れる。アウトドア用途などに適している。
シンサレート：高い断熱性を持つ合成繊維の一種。寒冷な環境での使用に適している。

バイク用ウインタージャケットに多く採用される中綿が「シンサレート」。
アメリカの3M（スリーエム）社が製造している合成繊維で、高い保温性を誇る断熱材である。
軽量で、薄い層でも保温性にすぐれ、さらに柔軟性や防水性も備えるというスキのない素材だ。

しかしここ数年で、あるハイスペックな中綿の素材に注目が集まっている。
それが「プリマロフト」だ。

プリマロフトとは？

ひと言でいうと「人工のダウン」である。

まず通常のダウンについて解説。
ガチョウやアヒルの羽毛から取れる天然素材のことで、中綿以上の保温性を誇ることが大きな特長だ。
ただし水濡れに弱いなどの理由から、バイク用ジャケットでの採用例は意外と少ない。

対して「プリマロフト」は天然の羽毛がもつ繊維構造に着目し、マイクロファイバーを組み合わせて疑似的に羽毛構造をつくり出した素材だ。
保温性はダウンをしのぐほどで、さらに水濡れに弱いという欠点も克服している。

米軍の寒冷地用防寒着に耐えるスペック

プリマロフトは80年代にアメリカ国軍の要請を受けたALBANY（オールバニー）社が開発。その後は陸軍・海軍の寒冷地用防寒着に採用された。
過酷な使用環境において驚異の保温性や撥水性、軽量性を誇ったプリマロフトは軍用品として高く評価され、現在は高級グースダウンの代替素材として、有名スポーツブランドや高級アパレルブランドでも採用されている。

バイク用に開発されたプリマロフト製品

ダウンをしのぐ保温性を持ち、ウエア用素材としてあらゆる機能を向上させたプリマロフト。
そんなプリマロフトを採用したウエアを多数展開しているメーカーといえば「ラフアンドロード」だ。

ウインタージャケットのアウターはもちろん、インナーもラインナップしており、パンツやグローブ、ネックウォーマーまで取りそろえている。

ラフアンドロードが展開しているプリマロフト製品の情報は下記のページで詳しく紹介しているので、気になる人はぜひチェックしよう。