日本で利益確定をすると税金が物凄く高いことを知り、移住を考えた

――日本で暗号資産に投資を始めたAさんが海外移住を考えたのはなぜですか?

Aさん:ビットコインバブルのピークを越えた2018年だと思いますが、日本に住みながら暗号資産の利益確定をすると最高55%の税金がかかることを知りました。55%もの税金がかかるのであれば、海外に移住しなくてはいけないと思い始めました。

――移住先としてシンガポールを選んだのはなぜでしょうか?

Aさん:海外の研究者仲間で、シンガポールに会社を持っている人が、シンガポールに来たいのであれば雇ってあげると言ってくれていました。シンガポールはインフラも整備されていて住みやすそう、いつか住んでみたいと思っていたので、せっかくなので移住することにしました。

――シンガポールは雇用ビザ(EP)を取るのが難しいと思いますが。

Aさん:そうですね。年齢にもよりますが、月給として100万円くらい取れる人であることが求められるし、楽ではありません。ただ、私の場合、大学院でドクターまで取得して、先端分野の研究者であることがビザ取得に役立ったと思います。

マリーナベイの日の出

シンガポールの超一等地での暮らしは?

――シンガポールではどのエリアにお住まいですか?

Aさん:オーチャード通りの地下鉄駅から徒歩圏内のコンドミニアムに住んでいます。

――どこに行くにも便利ですし、日本の食べ物が何でもそろうドン・キホーテも近くにありますから、生活にも便利ですね。

Aさん:東京ですと、東京駅から電車で30分の住宅地と銀座とを比べた場合、家賃はまるで違うでしょうが、シンガポールの場合、一等地だからといって家賃が2倍3倍にはならないと思います。だから一等地に住めているというのはあります。とはいえ、まもなくの契約更新で家賃が10%は上げられてしまうようで困るのですが。

――シンガポールの家では不自由なく暮らしていらっしゃいますか?

Aさん:日本の家にはグランドピアノがあって、ピアノを弾くのが楽しみだったのですが、グランドピアノをシンガポールまで運んでくる運送代が高すぎて、持ってくることができませんでした。仕方なく電子ピアノを買いましたが、音もタッチも納得できないですね。

――食事はどうされていますか?

Aさん:彼女はシンガポールに来てくれなくて、シンガポールでは一人暮らしなのですが、外食が多いですね。辛すぎる食べ物などは苦手なので、和食やヨーロッパ料理が多いです。自炊も週1回くらいしています。鍋物のように、簡単に作れて野菜をとれる物が多いですね。

シンガポールには美味しいイタリアンレストランも多い

カルダノエイダを売却して帰国する予定

――日本に帰国する予定はありますか?

Aさん:手持ちのカルダノエイダの価格が上がって、売却してから日本に帰国すると思います。今年はビットコインの半減期ですが、半減期の年にはビットコインの価格上昇が期待できますし、ビットコイン以外のアルトコインの価格上昇も期待できます。今年あたり価格が上がったら、売却して帰国しようかと思っています。それまで、ステーキングで収入を得ながら待っています。ステーキング収入に税金がかからないというのも、シンガポールの利点ですから。

シンガポールは住みやすい国

――2年間住んでこられたシンガポール、全般的な評価はいかがでしょうか?

Aさん:欧米や他の東南アジア諸国と比べて、住みやすいと思います。というのも、相手との距離感がちょうど良いんです。アメリカ人によくある近すぎる感じは疲れますし、東南アジアによくある親戚まで押し寄せてくるのも疲れます。シンガポールは、個々人が適度に離れていて楽ですね。

――シンガポールは規則が厳しすぎるという話も聞きますが、その点はどうですか?

Aさん:シンガポールは喫煙が厳しく制限されているなどと言われます。でも、喫煙が事実上黙認されている喫煙スペースがあったりして、意外に緩いのかも知れないと思います。

――シンガポール移住の雰囲気がよくわかるお話、ありがとうございました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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