もう一つが「餃子の王将」でこちらはメニューが店ごとに違います。店長の鍋の振り具合であっちの王将とこっちの王将では違う品目で味も違うということが起きています。これは店長以下しっかりしたチームを組成し、同業他社のみならず、社内競争を煽るという意味でプラス効果が出ています。これらはやらされ感をやる気に変える好例だと思います。

では給与です。多くの方が真っ先に挙げる会社を辞めたい理由「給与が安い」ですが、「辞めたら給与が増えるのですか」と私は問いてみたいです。案外、こんな安月給でストレス貯めさせられてボロボロになるまで使われて…という一種の怨嗟で辞めるケースは会社側と従業員側双方に理由があると考えています。もちろんケースバイケースです。

ただ1つ聞いてみたいのは「あなた、転職するにあたり何かスキルがありますか?」です。かつての履歴書の特技技能欄は「普通運転免許」でした。20年前には「エクセル、ワード」が加わったりしました。では現在は、といえばそれから特に変わっていないのです。つまり前職で業務に対する特別なスキルはほとんど身に着けていません。よって転職するにあたり「ガッツだけはあります!」になってしまうのです。これでは人事担当者の心は動かないのです。

会社を辞める前に少なくともどんな汎用性あるノウハウを身に着けたか、そこを考えるべきだと思います。社内ルールや社内人事にいくら詳しくてもそんなのは屁にもならないのです。汎用性、ここに注力し、本当に実力がついたときが辞める権利取得とも言えます。辞め方は自由。ですが、禍根を残さないことも大事ではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年9月3日の記事より転載させていただきました。