現在もなお多くの謎を残しながら、人々を魅了し探究心をくすぐるピラミッド。その最もよく知られたギザの大ピラミッドにまつわる話は非常に多い。現在、我々が目にすることのできるピラミッドの姿と言えば、砂色・茶色と答えるのが妥当であるかもしれないが、実は建設当時のピラミッドは石灰岩に覆われており、太陽の下で白い光沢を放っていたとも言われている。

 ピラミッドを覆っていたと言われる石灰岩は、地震などの自然現象によって剥がれ落ちたり、あるいは他の建築にて再利用するために意図的に取り外されたりといった経緯があったと推測されている。実際に、ギザの大ピラミッドに使用されていたとされる原石の一つは、スコットランド国立博物館に展示されているという。

 長い年月を経る中で、こうした形で消え去ったものは他にも例がある。その一つが、ピラミッドの頂上に設置されていたと言われる「キャップストーン」と呼ばれるものだ。

 エジプト学研究所のモハメド・メガヘッドによると、ピラミッドの頂上部には元々、四角錐の形状をした金と銀の合金で作られたキャップストーン(別名「ピラミディアン」)が置かれていたのだという。実際、大英博物館などでは、いくつかのキャップストーンが管理および展示されているため、キャップストーンという物体が多くのピラミッドに設置されていたことは確かだ。

大ピラミッドの頂上から盗まれた『キャップストーン』の謎!“モーセ”が持ち出した説も…
(画像=エジプト第12王朝のアメンエムハト3世のピラミッドのキャップストーン 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 キャップストーンが何のために設置されていたのかについて、ハッキリした理由はまだ判っていない。金銀などで作られていたことから、権威の象徴を表すためのものであったのではないかとする説や、あるいは日中には太陽、夜には月の光を反射することによって広大な砂漠にあるピラミッドの場所を示す、言うなれば灯台のような役割をしていたのではないかする説もある。

 他にも、ピラミッドは巨大なエネルギー集積装置、発電所あるいは通信施設だったというような、いわば都市伝説めいたものも囁かれていることから、キャップストーンはそうしたエネルギーなどを受け取るような役目を果たしていたのではないかとする噂もある。

 ギザの大ピラミッドにも、かつては銀色に輝くキャップストーンが存在していたはずだと考えられているが、現在、大ピラミッドにあったとされるキャップストーンは発見されていない。実は、大ピラミッドにあったキャップストーンは何者かに持ち去られてしまったという伝承があるのだという。

 この大ピラミッドの失われたキャップストーンもピラミッドにまつわるミステリーの一つとなっており、もし盗難であったとするならば誰が何のために盗み出したのかもわかっていない。ただ、一説によると、この大ピラミッドのキャップストーンを持ちだしたのはモーセではないかとする説もあるようだ。

 イスラエルの民を率いてエジプトを脱出したモーセ一行のあとに、エジプト兵たちが追跡していたことは聖書の記述にある。当初、エジプトを出ることは当時のファラオも許したというのだが、心変わりをしたことで追うことになったという。その心変わりがなんであるか、なぜ追跡することになったのかは詳しく描かれていないが、これはモーセがキャップストーンを持ち出したことが原因だったのではないかとも言われている。このことは、ごく一部で推測されている説であり、大ピラミッドのキャップストーンは依然としてなぞに覆われている。

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文=ZENMAI(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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