このところ首都圏では高齢者や一人暮らしの人を狙った強盗事件が連続しているが、治安の悪化を感じている方も多いでしょう。

このようなニュースを耳にするたびに思うのが日本の住宅や学校会社などが、もっと強固な物理的なセキュリティ対策を実施していたら事件が防げたのにと思うのです。

私の近著『世界のニュースを日本人は何も知らない5』でも解説していますが、北米や欧州は日本よりもはるかに治安が悪いのでセキュリティ対策がはるかに発展しています。

実は意外なのですが欧州も治安が悪いところはかなり多く、アメリカレベルとまでは行きませんがセキュリティ対策にはかなりのお金と手間を使っています。

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日本の方々はセキュリティ対策というとすぐに監視カメラを思い浮かべるかもしれませんが、アメリカや欧州で最もお金をかけている部分はそこではありません。

監視カメラがあっても強盗は覆面をしていることが多いですし、ある場所をだいたい把握しているので破壊してしまうことが多いのです。したがってある程度の防御にはなりますが安全を確保する絶対的な対策とはなり得ません。

命を守る上で最も重要なのが物理的なセキュリティ対策です。

具体的に言うと、侵入者が建物の中に入ることができないような対策を行うということです。

まず重要なポイントが侵入口となる玄関や裏口のドアで、実は欧州の住宅はここにかなりのお金をかけています。

鋼鉄製の分厚いドアを普通のデザイン性の高いドアのように偽装して入れてあったりします。

値段の高いものは斧や銃でもぶち破れないようになっています。ある程度お金がある家庭はそのようなものを入れています。

次に鍵ですがこれは日本でも最近普及しているディンプルキーのさらに安全性の高いものを入れています。キーは簡単にコピーすることができません。

しかも玄関や裏口から家に入る場合鍵は1つではなく2つとが3つ必要な場合があります。