ピレリから最新のオールシーズンタイヤ、チントゥラート・オールシーズンSF3がデビュー
残暑が続くかと思ったら急激に気温が下がり、冬の足音が確実に近づいている。クルマの冬支度は万全だろうか。
ピレリは日本市場で多種多様なタイヤをラインアップしてあり、希少なサイズを履くユーザーの選択肢を広げてくれる頼りがいのあるブランドだ。
2024年は新製品、チントゥラート・オールシーズンSF3がデビューした。とくにスノー、ドライ、ウエット性能向上に注力。優れた快適性と長寿命、さらに省燃費性能も追求され、高次元のオールシーズン性能を目指した注目モデルだ。国際基準で定められたシビアスノー条件に適合し降雪時の安全性を確保。信頼感が高い。
今回は最新モデルのチントゥラート・オールシーズンSF3を含め、ピー・ゼロ・ウインター、スコーピオン・ウインター、アイスゼロ・アシンメトリコという4種のウインタータイヤを北海道千歳市の特設コースで試乗した。
暖冬の影響でアイスバーンとシャーベット路面が入り混じるコンディションでの試乗だったが、チントゥラート・オールシーズンSF3は最新コンパウンドとパターン技術が安定したグリップを発揮する。ブロックとサイプによるエッジ効果が高いイメージで部分的な凍結箇所でも挙動は粘りがある。最新のオールシーズンタイヤは降雪路だけでなくアイス性能も向上しており、以前のようなグリップ不足を感じなくなったモデルが多い。チントゥラート・オールシーズンSF3も雪と氷に対するグリップが上がっている。ウエットグリップは欧州ラベリング制度のAを獲得し、排水性も含めて安心感が高い。ドライやウエットでも乗ってみたい最新作である。
ピー・ゼロ・ウインターはシビアスノーとスタッドレスマークを刻印するスポーツカー向けの冬用タイヤ。カーメーカー各社と共同開発を推進し、気温7度以下でグリップダウンが著しくなる夏タイヤの履き替え用として各社から推奨されている。
今回はBMW5シリーズ、アルピナD3S、ポルシェ911カレラ4に装着して試乗したが、ハイパワーを活かすにはコントロール性が重要というピレリの理念に沿った特性が見事に具現化されていた。特徴的な非対称デザインとコンパウンドの相乗効果で高次元の限界コントロール性を発揮。滑り出しはわかりやすく粘りがありコントローラブル。シャーベット路でもグリップが適切に確保されている点が印象的だった。
スコーピオン・ウインターも数多くのカーメーカーとの共同開発が推進されてきたハイパフォーマンスSUV向けのウインタータイヤだ。プレミアムセグメントのカーメーカーは自社のクルマにマッチするタイヤが冬季も必要。そこで共同開発が実施され、基準を満たしたタイヤを推奨している。スコーピオン・ウインターはタイヤ幅215~255が縦溝2本、265以上は縦溝4本のⅤ字型デザインを採用。ショルダー部を強化して車重が重いSUVへの対応力を高めた。
BMW・X5やポルシェ・マカンで試乗したが、安定したブレーキング力やコーナリンググリップが感じ取れた。シビアスノー条件をクリアしスタッドレスマークが刻印されており、電動車向けやランフラットサイズの用意もある。
アイスゼロ・アシンメトリコは日本の冬に向けてアイスグリップを最重視したスタッドレスだ。特徴的なスクエアブロックを配置した非対称デザインを採用。サイプは複雑な立体形状でブロックの倒れ込みを抑制するなど徹底的に氷上性能アップを狙っている。
アイスゼロ・アシンメトリコはパターン剛性が高いため電動車やミニバン、SUVなど車重の重い車種でも弱さを感じさせない。幅広い車種にマッチする最新スタッドレスとして推奨できる。
提供元・CAR and DRIVER
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