ロベルト・マンチーニ監督 写真:Getty Images

 10月24日、サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)はサウジアラビア代表のロベルト・マンチーニ監督との契約を解消したことを発表した。就任からわずか15か月での解任は、期待された成果を出せなかったことが背景とされる。27日には、2019年から2023年まで指揮官を務めたエルヴェ・ルナール監督再任が発表されている。

 2023年、マンチーニ監督はルナール監督の後任としてサウジアラビア代表監督に就任した。ルナール監督は2022年のFIFAワールドカップでサウジアラビアを率い、初戦でアルゼンチン代表相手に歴史的勝利(2-1)を挙げるなど注目を集めた。

 サウジアラビアはさらなる成功を求めてマンチーニ監督に指揮を託した。マンチーニ監督はユーロ2020でイタリア代表を優勝に導いた実績を持ち、サウジアラビアサッカー界からは大きな期待が寄せられていた。また、年俸も40億円といわれており世界最高レベルだったと報じられている。

 マンチーニ監督にとって最初の大きな試練は、2024年1月にカタールで開催されたアジアカップであった。しかし、大会を前に彼は、出場意欲が不十分だとしてMFサルマーン・アル=ファラジュ、DFスルタン・アル=ガナム、GKナワフ・アクイーディの3選手をメンバーから外した。この判断に対し、3選手はマンチーニ監督の主張を否定し、SAFFとの間に緊張を生む結果となった。さらに、敗戦したノックアウトステージの韓国代表戦(1-1)では、PK戦(2-4)の途中にベンチを離れるという不可解な行動が波紋を呼び、選手やファンからの信頼も失った​。

 2026FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選でもチームは苦戦を強いられ、ここまでの4試合で5ポイントにとどまっている。特に10月には日本代表に敗れ(0-2)、バーレーン代表とも引き分ける(0-0)など、各グループの上位2チームに与えられるストレートでの予選突破が厳しい状況にある。