シュトラウス2世の作品としては「美しき青きドナウ」、「ウィーンの森の物語」、「皇帝円舞曲」などのほか、オペレッタ「コウモリ」がよく知られている。シュトラウス・イヤーでは、劇場やコンサート、実験的なスペシャル企画なども開催される。「クラシックなプログラムを期待している人は失望するかもしれません」と、シュトラウス生誕199周年にプログラム発表を行った総監督ローランド・ガイヤー氏は述べている。

記念プログラムは、「ピュア」「ミックス」「オフ」という3つのセクションに分かれている。「シュトラウス・イヤー」は音楽的に大晦日の夜にスタートし、市庁舎前広場で開催されるウィーンのシルベスターパスで、ウィーンの音楽愛好家たちによる「スーパー・バンド」が、オーストリアの打楽器奏者マーティン・グルービンガーの指揮のもと演奏を行う。歌手アンカティ・コイやマックス・ムツケ、フェリシア・ルー、ドラマーのトーマス・ラング、スティングの打楽器奏者ラニ・クリジャらが出演する予定だ。

また、シュトラウスの代表作「コウモリ」は、誕生から151年を迎える来年4月5日にウィーン中で祝われる。特にミュージアムクォーターでは、昼間は子供や家族向けにシュトラウスのメロディーを体験でき、夜にはスロバキア出身のヤノスカ・アンサンブルによる特別版オペレッタが披露される。

ウィーン市はシュトラウス2世生誕200年記念事業のために200万ユーロ増額して合計2200万ユーロを計上している。ちなみに、この予算額は2006年の「モーツァルト・イヤー」の予算(2910万ユーロ)よりも少ないという。

ワルツは別として、当方はシュトラウス父子に関心がある。父親シュトラウス1世は息子が自分より人気のある曲を作曲するのを妬ましく感じていたという。モーツアルトの父親は息子の才能を知って、それを如何に発展させるかで腐心したが、シュトラウス・ファミリーの場合、シュトラウス1世の父親が作曲家で当時、それなりの名声を得ていたこともあって、息子(シュトラウス2世)が自分よりも人気があることに我慢ができず、息子の悪評を流したというのだ。