これは1999年の自自連立と似ている。前年の参院選で自民党が過半数を割り、ねじれ状態になったため、小渕首相は小沢一郎の自由党と連立を組み、公明党も合流して自自公連立政権となった。しかし小沢の強引な要求を小渕が飲まず、自由党が連立を離脱した直後に小渕は脳梗塞で急死した。

自自連立の合意文書(1999)

今回は国民の玉木代表は小沢ほど強引な要求はしないだろうが、昨年トリガー条項で裏切られたので、今回は合意文書をつくるだろう。特に国民がもっとも力を入れている基礎控除の引き上げを入れる可能性がある。

連立には連合が難色を示しているが、これも芳野会長の第3号被保険者の廃止を合意文書に入れればいい。年収の壁の問題は、玉木代表の提案している最低保障年金で解決できる。

自民党に後継首相にふさわしい人物がいないので、玉木首相という可能性もある。これは大穴だが、かつて自民党は社会党を連立に引き込むために村山首相というウルトラCを編み出した党である。政権維持のためなら、何でもするだろう。

いずれにせよ久しぶりに公明党以外との連立政権が視野に入ってきた。本来は公明党を政権から追い出して連立を組み替えてほしいところだが、今回はそこまでは行かないだろう。自公国政権でも、自公が無視してきた社会保障改革が政権のアジェンダになるのは大きな前進である。