“前世記憶”を語り出した幼い息子の話を良く聞いてみると、1912年に沈没した豪華客船、タイタニック号の犠牲者であった――。

■タイタニック号の犠牲者であった“前世記憶”を持つ少年

 米ウィスコンシン州在住の家族の息子、ジェイミーは4歳の時に自宅の居間のスクリーンで1997年の大ヒット映画『タイタニック』を見て以来、行動が一変した。

 その翌日からジェイミーは何かに憑りつかれたかのように、1912年に沈没した豪華客船・タイタニック号の絵を次から次へと一心不乱に描き始めたのだ。

「最初の2週間で、おそらく50枚は描いたでしょう」と母親は語る。

 ジェイミーの絵からはタイタニック号のディテールも描かれており、その中には数々の船室の中の様子を描いたスケルトンになった絵もあった。

タイタニック号の犠牲者の“前世記憶”を持つ少年!前世は船の設計者の1人か
(画像=「UNILAD」の記事より、『TOCANA』より 引用)

 そしてジェイミーは妙な話をするようになった。タイタニック号の沈没で最初に犠牲になったのは閉じ込められたボイラー室の船員であるといわれているが、ジェイミーはそれが自分のせいであり、ボイラー室の船員が閉じ込められるべきではなかったと言いながら泣き出すこともあった。

 さらにジェイミーはタイタニック号の設計において鋼鉄の代わりに鉄を使ったことなど、船の建造中に犯されたいくつかの間違いを次々と挙げたのだ。

 ジェイミーのタイタニック号への執着が強まるにつれ、母親はタイタニック号について調べ始め、ついにジェイミーが誰なのかの結論に至った。

 彼女は、ジェイミーの“前世”が船の設計者の1人であるトーマス・アンドリュース(1873-1912)であると特定したのである。

 彼は「ホワイト・スター・ライン」社の船を数隻設計しており、その処女航海のすべてに参加した。もちろんタイタニック号にも乗船しており。1912年の運命の夜、トーマスは救命ボートに乗らず、船とともに沈んだ。

 トーマス・アンドリュースについての残された記述を読むと、鋼鉄の代わりに鉄が使われたことなど、ジェイミーが言ったことと一致していることもわかった。

 母親はジェイミーがトーマス・アンドリュースの生まれ変わりであると信じ、父親も息子が船に魅了されていることは「何か別の深いつながりがあるに違いない」と語る。

 2023年の時点で19歳になったジェイミーもドキュメンタリーに出演し、自分もそう思っていると話している。

「私はおそらくトーマス・アンドリュースだったと思います。性格的な特徴と彼がしたことは私がしたであろうことだからです。彼は他の人たちが船から降りられるように自ら命を差し出しました。それは歴史上最悪の悲劇であり、私はタイタニック号で死んだことを知ってとても平穏な気持ちでいます」(ジェイミー)

 はたしてジェイミーの前世はトーマス・アンドリュースであったのか。成人になったジェイミーが新たな“前世記憶”を思い出すとは考え難いものの依然として興味深いケースである。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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