テキサス・レンジャーズが初の世界一に輝いた前年度のワールドシリーズ。今年のポストシーズンもいよいよ大詰め、ア・リーグ代表のニューヨーク・ヤンキースVSナ・リーグ代表のロサンゼルス・ドジャースの対決に注目が集まるが、これまでの歴史上、最もチャンピオンの栄冠に輝いたのはどのチームか、ランキング形式で紹介していきたい。
【MLBデータコラム】熾烈だった首位打者争い ナ・リーグ打率TOP10
まずは、6位-10位まで。
【6位―10位】
5位:サンフランシスコ・ジャイアンツ
(出場回数 20回/優勝回数 8回/最終出場 2014年)
6位:ロサンゼルス・ドジャース
(出場回数 21回/優勝回数 7回/最終出場 2020年)
7位T:シンシナティ・レッズ
(出場回数 9回/優勝回数 5回/最終出場 1990年)
7位T:ピッツバーグ・パイレーツ
(出場回数 7回/優勝回数 5回/最終出場 1979年)
9位T:デトロイト・タイガース
(出場回数 11回/優勝回数 4回/最終出場 2012年)
9位T:アトランタ・ブレーブス
(出場回数 10回/優勝回数 4回/最終出場 2021年)
続いて、上位3チームを3位からお届け。
3位T:ボストン・レッドソックス
(出場回数 13回/優勝回数 9回/最終出場 2018年)
ワールドシリーズの初代チャンピオン。当時はボストン・アメリカンズで知られていたが、1908年にボストン・レッドソックスに改名された。最初の全盛期は1910年代、1912年にジャイアンツを破り2度目のチャンピオンに輝くと、1915、1916、1918年と10年間で4度のチャンピオンに輝いた。2013年には上原浩治、田澤純一らを擁して優勝、上原浩治は胴上げ投手となった。スティーブ・ピアースらを擁した2018年が最後のシリーズ制覇。
3位T:オークランド・アスレチックス
(出場回数 14回/優勝回数 9回/最終出場 1990年)
リーグ発足から参加している古豪。最初のシリーズ進出は1905年、この年はジャイアンツに1勝4敗で敗れたものの、1910年にカブスを破り初制覇。その後は1911年、1913年には同じ相手、ジャイアンツを破っている。レジー・ジャクソン、バート・キャンパネリス、ローリー・フィンガーズらを擁した1972ー1974年にMLB史上3度目の3連覇を達成している。1980年代後半には日本でも人気の高かったホセ・カンセコ、マーク・マグワイアらを擁し、1988-1990年に3年連続シリーズ進出。1989年にはジャイアンツを4連勝で破りシリーズ制覇を達成した。
2位:セントルイス・カージナルス
(出場回数 19回/優勝回数 11回/最終出場 2013年)
WBCで人気を博したラーズ・ヌートバーも所属するカージナルスの歴史は長い。リーグ加盟当初は低迷したものの、少しずつ強化され、ついに1926年にリーグ優勝、初のシリーズ進出を果たす。相手はベーブ・ルース、ルー・ゲーリックなどメジャー史上屈指のメンバーを擁するヤンキースだったが、カージナルスも4割打者ロジャース・ホーンスビー、ベテラン投手ピート・アレクサンダーらを擁し、7戦までもつれる激闘の末、4勝3敗でシリーズ制覇を達成した。その後も1930年代まで、ヤンキース、アスレチックスらと闘い、1931年、1934年にもシリーズ制覇。また、1940年代もメジャーの先頭を行く活躍を見せた。最後のシリーズ制覇は2011年。ア・リーグ王者のレンジャーズを相手にしたシリーズは歴史に残る名勝負となる。第3戦でアルバート・プホルスが、史上3人目となる3打席連続本塁打。さらに、2勝3敗とがけっぷちに立った第6戦では2点差で迎えた9回に2アウトから同点、さらに延長10回にふたたび2点差をつけられるも、またも同点に。11回裏にサヨナラ勝ちを収めた。さらに第7戦も勝利し、みごと11度目のシリーズ制覇となった。
1位:ニューヨーク・ヤンキース
(出場回数 40回/優勝回数 27回/最終出場 2009年)
出場回数、優勝回数ともに他を圧倒する実績で、MLBの代名詞ともいえる名門ニューヨーク・ヤンキース。とはいえ、創設当初は上位に入ることもできず、すでにスター選手だったベーブ・ルースを迎えた後、1921年にワールドシリーズ初進出となる。1921・1922年は共にジャイアンツに敗れるも、3年連続同チーム対決となった1923年にはベーブ・ルースが打率.368、OPS1.556という驚異的な成績を残しチームに貢献。ヤンキースは見事初のシリーズ制覇を達成した。その後も各年代でMLBの中心となり、ジョー・ディマジオ、ミッキー・マントル、レジー・ジャクソン、デレク・ジーター、マリアーノ・リベラ、ロジャー・クレメンスなど、多くのビッグスターを輩出し、2連覇3回、3連覇1回、4連覇1回、5連覇1回と他を圧倒してきた。日本のファンの記憶に残るのが2009年。前年の覇者フィリーズと1950年以来の対決となったこのシリーズで躍動したのは松井秀喜。この年で契約終了が決まっていた松井が、第2戦でペドロ・マルティネスから逆転本塁打。第3戦でもソロを放つと、第6戦では3本目の本塁打と、シリーズタイ記録の1試合6打点を挙げる大活躍で、シリーズMVPを飾った。今年はそれ以来15年ぶりとなるワールドシリーズ進出になる。