従事者の高齢化や担い手不足だけでなく、水資源や農薬をめぐる環境破壊など、その持続可能性(サステナビリティー)をめぐる課題が取りざたされている農業。

日本の栽培技術を生かし、北米で植物(イチゴ)工場を運営するアメリカのスタートアップ企業、Oishii Farm Corporation(オイシイファームコーポレーション)が、日本法人を設立。2025年内のオープンイノベーションセンターの開設を目指します。

環境負荷に配慮した農業工場

アメリカ合衆国ニュージャージー州で2024年から運営する同社のイチゴ工場は、世界最大級の規模を誇るそうです。

東京ドーム5個分の敷地に並べられた太陽光パネルで電力をまかない、水資源は繰り返し利用して屋内でイチゴを生産。また、植物工場内でのハチによる自然受粉を用いて、世界で初めて安定的に量産することに成功したといいます。

温度・湿度・二酸化炭素・光、風速に至るまで全てオペレーターが制御した清潔な環境を実現し、農薬は不使用だと伝えています。

日本に研究施設を開設予定

古賀大貴さんがCEOとして率いる同社は、「日本の良いもので世界を驚かせたい」という思いから、施設園芸と工業技術を基盤とした植物工場を米国で実現したといいます。

トップ企業と連携をしながら、植物工場のリーディングカンパニーになること、そして自動車産業に次ぐ、新たな日本発のグローバル産業の創出を目指しているという同社。

2025年には植物工場の技術研究を行うためのオープンイノベーションセンターを首都圏に開設する予定です。

今後起こり得る食料問題の解消に向けた「持続可能な農業」を本格稼働させるための取り組みとして、植物工場向け最適品種や栽培などの技術研究と同時に、ファクトリーオートメーション、AI環境制御システムといった工業をめぐる技術研究も行われるそうです。

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