株式会社帝国データバンクは、2024年9月末までの「負債1000万円以上法的整理による倒産」を対象に、飲食店の倒産発生状況について調査・分析結果を公表しました。
飲食店業界、倒産が過去最多ペースに
同社によれば、2024年1月から9月までの飲食店の倒産件数が過去最多ペースに達していることが明らかになりました。倒産件数は650件で、前年同期比で16.5%増加しており、このままのペースが続くと、過去最多記録である2020年の780件を上回り、年間で870件前後に達する見通しだといいます。
業態別でみると、最も多かったのは居酒屋などを含む「酒場、ビヤホール」で160件。次いで、ラーメン店などの「中華料理店、その他の東洋料理店」が117件、「西洋料理店」が90件、「バー、キャバレー、ナイトクラブ」が70件、「日本料理店」が53件となっています。
食材費や人件費の負担、競争激化も影響
この要因としては、どのようなことが考えられるのでしょうか。
同社によれば、そのひとつにコスト上昇分を消費者らの価格に反映する「価格転嫁率」が考えられるといいます。
飲食業界全体での価格転嫁率は36.0%と他業種(44.9%)に比べて低く、食材・光熱費の高騰や人材確保・維持のための賃上げなどによるコスト増を十分に価格に反映できていない現状があるとのこと。
また、都市部では倒産件数が顕著に増加しており、東京や大阪が全体の29.8%を占めています。最大の負債額となったのはビヤレストランを運営していた「アサヒフードクリエイト」(東京)が約89億円の負債を抱えて特別清算を行ったケースでした。
<参照>
飲食店の倒産、過去最多ペース 「居酒屋」「ラーメン店」の競争がさらに激化