それ以前に存在していたシンプルな多細胞生物より複雑であったことから、エディアカラ生物群は地球最古の動物の一群と考えられています。
ただエディアカラ生物群の中でも最初に出現した種がどのようなものだったのかはわかっていません。
そんな中、フロリダ州立大の研究チームは最初期に誕生した動物の一種を新たに発見したのです。
地球最古の「動物」の一種か?
新種の古生物の化石が見つかったのは、南オーストラリア州のアウトバック(オーストラリアの内陸部に広がる砂漠を中心とする広大な人口希薄地帯のこと)にある「ニルペナ・エディアカラ国立公園(Nilpena Ediacara National Park)」です。
この公園はエディアカラ生物群の化石を産出する場所として有名で、その貴重な化石記録からユネスコ世界遺産への登録が検討されています。
研究チームはこの場所で20年以上にわたり発掘調査を続けてきました。
そして最近、今まで知られていなかった新種の古生物の化石を発見に成功したのです。
この生物は丸くて平たいルンバのような見た目をしており、大きさは成人の手の平くらいあります。
体は無数の細胞でできた多細胞生物であり、体の表面にはクエスチョンマークのような器官があって、この生物の体が左右非対称であることを示していました。
化石は10個以上見つかっており、体組織をそのまま残したものもあれば、この生物の跡だけを残した痕跡化石もありました。
それらをもとに復元したのが上の画像です。
研究者らはこの特徴的な「?」マークを踏まえて、学名を「クアエスティオ・シンポソノルム(Quaestio simpsonorum)」と命名しています。