そうすると、太陽が沈んだ直後の18時台19時台はまだ電力消費が多いにもかかわらず太陽光発電は電力の供給にはまったく役に立たず、全てが火力発電などに頼ることになります。この数時間の供給のために運転コストをかけて待機させている、火力発電所もたくさんあります。
さらに図3は曇りや雨の日のグラフです。太陽光発電の比率は4%まで下がっています。残りの96%(青い縦縞の模様の部分)は火力、水力、原子力などの別の発電方式で発電して供給しなくてはいけません。
天気はある程度は予想できますが、100%の予測はありませんから、突然太陽が隠れてしまい太陽光発電の量が激減しても大丈夫なように火力発電を待機させています。その分のコストが発生します。その分は電力会社の負担ですが、まわりまわって電気を利用する私たちの負担になります。再エネ賦課金には入ってこないこれらのコストも私たちは負担してるわけです。
太陽光発電は、出力抑制の問題もあります。図4は、ゴールデンウイーク2024年5月4日の総需要(青線)と太陽光発電(赤線)に7月9日の太陽光発電(黄色)のグラフを重ねたものです(季節的な時差を補正してあります)。
この日は連休中で電力の消費量が少なかったため、太陽光発電の出力抑制が実施されました。抑制された太陽光発電の量は黄色の斜め線の面積にあたります。抑制量を少なくする余地がまだあるように見えますが火力発電所などを安定して運転を続けるためには、最低限必要な出力を確保する必要があり、これ以上少なくすることはできないと思います。
このグラフは、太陽光パネルをどんどん増やしていったとしても、黄色で示した発電抑制量の面積が増えるだけで、有効に活用できる赤色で示した面積はほとんど増えないということを示しています。太陽光発電をどれだけ増やしてもは火力発電や原子力発電の代わりにはなれないことを、イメージしやすいと思います。
- 風力発電の電力供給への貢献度