1970年代から2万人以上が行方不明になっている三角地帯“アラスカトライアングル”の危険性はもっと周知されなければならないようだ――。
■生きて帰れない「アラスカトライアングル」
侵入した者が謎の失踪を遂げるミステリアスな海域“バミューダトライアングル”は有名であるが、実はもっと危険な三角地帯がある。世界のどこよりも多くの未解決の行方不明事件が発生している「アラスカトライアングル」である。
アラスカトライアングルは、アンカレッジとジュノー、北海岸の小さな辺境都市ウトキアグヴィクの3つの地点を結んだ三角形の内部の地帯だ。わずかながら沿岸の海域が含まれる。
1970年代初頭以来、この広大な地域で2万人を超える人々が行方不明になっていると推定されおり、この地域の人口密度の低さを考慮すると衝撃的ともいえる数字である。
人間よりもカリブーが多く生息している極寒のアラスカには手つかずの自然が残っており、険しい山脈、氷河、数百万の湖、無数のクレバス、広大な渓谷という雄大で過酷な自然の中には、クマも多数生息している。
アラスカトライアングルで行方不明になった最も有名な人物には、当時アメリカ下院多数党院内総務を務めていたトーマス・ヘイル・ボッグス・シニアと、アラスカ州議会議員のニック・ベギッチがいる。この2人の政治家は1972年10月16日に、ベギッチの補佐官ラッセル・ブラウンとパイロットのドン・ジョンズと共に、アンカレッジからジュノーへ向かう軽飛行機に乗っている際に行方不明になった。
行方不明の4人を見つけるために大規模な捜索活動が開始されたが、遺体も飛行機も発見されなかった。この不可解さからこの事件は多くの“陰謀論”を巻き起こした。ボッグスはJFK暗殺を調査するために設立された公式機関である「ウォーレン委員会」のメンバーであり、同委員会の調査結果の多くに反対していたと伝えられていることから、ボッグス暗殺を疑う“陰謀論”もあるようだ。
もう1つの有名なケースは、1970年代半ばにアラスカの荒野に狩猟に出かけたが、二度と帰宅しなかった25歳のニューヨーク在住者、ゲイリー・フランク・サザーデンである。1997年の夏、あるハンターがアラスカ北東部のポーキュパイン川沿いで人間の頭蓋骨を発見していたのだが、2022年になってDNA鑑定が行われたことでその頭蓋骨はサザーデンであることが判明し、損傷の状況から州警察はクマに襲われて死亡した可能性が高いと結論付けた。
アラスカトライアングルには異常な磁気活動があるという説や、地球外の存在からの影響を指摘するオカルト説もある。そしてそもそもここが危険に満ちた過酷な自然環境であることは間違いない。今後も依然として不幸な事件が起こりそうだが、危険が周知されて行方不明者が減ることを願うばかりだ。
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
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