大手声優事務所の株式会社青二プロダクションと、AI音声技術で知られる株式会社CoeFontがグローバル戦略パートナーシップを締結したことを発表しました。
両社は、声優の音声をAI技術で多言語化し、世界市場への展開を図ります。
声優の音声データをAIで多言語化し世界へ
この提携は、CoeFontのAI技術を用いて英語や中国語などへ「多言語化」した青二プロダクションに所属する声優の声を音声アシスタントやロボット、医療機器などの製品に生かそうという試みです。
声優の活動領域と権利を守り可能性を広げる
この取り組みでは、アニメーションや映画の吹き替えなどの分野を対象としないことで、AI音声技術と声優の活動領域を明確に区分します。
これは、声優の「演技」領域には踏み込まないという明確な方針を明らかにするためだといいます。
声優の音声を不正に学習させる事件が発生するなど、生成AIの台頭に伴う声優業界の課題が、今回の協業の背景にあるそうです。
両社はAIを脅威ではなく、声優の権利を守りながら可能性を広げるツールとして活用する姿勢を示しています。
AI技術と声優業界の共存モデルへ
第1弾では、青二プロダクション所属の10人の声優が参画。
参加声優は順次公開する予定で、発表時点では「ドラゴンボール」シリーズなどで活躍する野沢雅子さんの音声をもとにした英語・中国語のAI音声サンプルが公開されています。
両社は、この取り組みが音声認識技術の普及や社会福祉に貢献することを目指すといい、さまざまなサービスを通じて、より多くの人に声優の声が親しまれることを期待。AI技術と声優業界の共存モデルを探る試みだと伝えています。
<参照>
青二プロダクションとCoeFont、AIを活用したグローバル戦略パートナーシップを締結