宇宙開発ベンチャーの株式会社ispace(以下、ispace)は、英国の宇宙ロボット企業Asteroid Mining Corporation(以下、AMC)の月面ミッションを支援する覚書を締結したと発表しました。
ispaceの小型の月着陸船である「ランダー」を活用し、AMCの探査ロボットを月面に送る構想の具体化を進めるとしています。
月面資源開発に向け実績を積み重ねるispace
ispaceは「人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ」というビジョンを掲げ、月面資源開発に取り組むスタートアップ企業です。
2022年12月に初めてランダーを打ち上げ、10段階中8段階の成功を収めたといいます。
早ければ、2024年12月に2度目の打ち上げを予定し、米国と日本の法人主導で新たに2種類のランダー開発も進めているそうです。
今回提携したAMCの探査ロボットは、今後の資金計画などによって、将来のミッションで搭載する見込みとしています。
民間の月市場参入を後押しするゲートウェイに
ispaceは、民間企業が月でビジネスを行うための「ゲートウェイ」となることを目指し、月市場への参入をサポートする取り組みも進めているそうです。
また、同社と覚書を締結したAMCの月面ミッションへの本格参入は、英国企業では初とのこと。
AMCの探査ロボット「SCAR-E」は、微小重力環境において対象を絞ったサンプリングと操作が可能になるといいます。ispaceのランダーで月面に送り、将来の小惑星採掘に向けた技術実証を行うとしています。
ispace代表取締役CEOの袴田武史氏は「イノベーターの皆様に月面での技術実証の機会を提供していることを示す新たな事例」と、コメントしています。
技術実証を短期間で実現するための輸送サービスを提供し、先駆的なプロジェクトを支援する方針です。
<参照>
ispace、将来の月共同ミッション実現を目指し、Asteroid Mining Corporationとの覚書を締結