爽快な4.0L自然吸気エンジンと短いギア比を備えた、新型「911 GT3」。ツーリングパッケージには初めてリアシートシステムをオプション設定
ポルシェAGは、「911 GT3」をモデルチェンジする。この極めてサーキット走行に適したロードスポーツカーは、軽量化戦略の拡大、375kW(510PS)および450N・mを発生する4.0L水平対向自然吸気エンジン、そして顧客重視の新しいオプションを備え、記念すべき年にデビューする。
911 GT3に初めて採用された「ヴァイザッハパッケージ」は、サーキットで使用するためのカスタム構成オプションをさらに充実させている。さらに、精度とスポーツ性をいっそう高める充実した標準装備やその他のオプションが用意されている。
1999年のデビュー以来、911 GT3はレースの遺伝子と日常の使いやすさの究極の組み合わせを提供してきた。その誕生から25周年を記念して、新型911 GT3はリアウイングを備えたサーキット重視のスポーツカーと、ツーリングパッケージを備えたより控えめなモデルの2つのバージョンを、初めて同時にデビューさせた。
テーラーメイドパッケージと革新的なオプションにより、GT3の両バージョンはオーナーの好みや用途に合わせてさらにカスタマイズすることができる。
1999年3月の「ジュネーブ国際モーターショー」で最初のポルシェ911 GT3が発表され、ツッフェンハウゼンのスポーツカー・メーカーにとって新しい時代の幕開けとなった。
25年経ったいま、ポルシェはパフォーマンスと精度を特徴とするレーシングアイコンの成功物語を体現。妥協を許さないスポーツカーの第4世代が、911のサクセス・ストーリーを引き継ぎ、サーキットでも公道でも素晴らしいパフォーマンスを発揮する。
モダンなスタイリングの911 GT3
新型911 GT3は、フロントとリアのデザインがシャープになり、エアロダイナミクスも改良された。両バージョンとも、フロントディフューザーの輪郭変更、スポイラーリップの形状改良、アンダーボディのフィンの改良がダウンフォースを増加させ、エアフローを最適化する。
911 GT3の再設計されたLEDマトリックスヘッドライト(ホワイトアクセントリングをオプション装備)は、911のすべてのライト機能を兼ね備えており、フロントエプロンに追加のライトが不要となる。これにより、エアインレットエリアが拡大し、明確な構造の外観となった。
リアでは、ディフューザー、エアインレット、リアリッドのデザインを変更し、911 GT3のリアウイングには、角度のついた新しいサイドプレートが装備されている。
ダブルウィッシュボーンのフロントアクスルには、エアロダイナミクスに優れた専用開発のティアドロップ型トレーリングアームを採用。高速走行時にホイールアーチのダウンフォース増加とブレーキ冷却の改善に寄与する。
高速からのブレーキング時でもフロントアクスルとリアアクスルのダウンフォースバランスが保たれるよう、サスペンションエンジニアはピッチング(アンチダイブ)を低減。新型911 GT3では、これを実現するために、ロアトレーリングアームのフロントボールジョイントがフロントアクスルのより低い位置に設定されている。
911 GT3は、現行の911 GT3 RSからこれらの変更を採用。911 GT3には、ウェットグリップが向上した255/35 ZR 20(フロント)と315/30 ZR 21(リア)のスポーツタイヤが標準装備されている。オプションで、公道走行が可能なサーキット用タイヤも用意された。[]
さらにカスタマイズが可能なツーリングパッケージ
モデルチェンジにより、ポルシェは911 GT3の各バージョンをより明確に定義している。今回初めて人気の高いツーリングパッケージが、リアウイングを装着した通常のGT3と同時に登場。「ツーリングパッケージ」という名称は、1973年の「911カレラRS 2.7」の装備バージョンまでさかのぼり、2017年からは911 GT3の仕様として登場している。
新型911 GT3では、リアリッドグリルの“911 GT3 touring”ロゴに反映されるように、さらに特徴的になった。911 GT3ツーリングパッケージは固定式リアウイングを廃止し、911の時代を超越したエレガントなラインを維持。ティアオフエッジを備えた伸長式リアスポイラー、有名なガーニーフラップ、アンダーボディに適応されたフィンデザインがエアロダイナミクスバランスを保つ。
インテリアは上質なレザーインテリアがクラシックでスポーティな雰囲気を与える。911 GT3ツーリングパッケージにリアシートシステムが初めてオプションとして用意された。これにより日常的な使用可能なスポーツカーとして、オーナーの希望に合わせてさらに個別調整し、最高のドライビングプレジャーを楽しむことができる。
ポルシェのブランドアンバサダーを務めるヴァルター・ロール氏は「特に曲がりくねったワインディングロードでは、ステアリングが先代モデルよりもさらに巧みに調整されていることがはっきりと感じられます。
ダイレクト感を失うことなく、センターポジションからより穏やかに反応するので、車に対する信頼感がさらに高まります。ギア比が短くなったことで、ドライビングの楽しさも大幅に向上しました」
軽量設計
911 GT3の俊敏でダイレクトなハンドリングには、その軽い車重が貢献している。新型911 GT3は軽量設計に徹底的にこだわった。シルバーカラーの新型軽量アルミニウムホイールは、バネ下重量を先代モデルより1.5kg以上軽減している。
ヴァイザッハパッケージまたはライトウェイトパッケージのマグネシウムホイールもオプションとして用意されており、9kgの軽量化に寄与。新しい40Ahのリチウムイオン軽量バッテリーは、さらに約4kgの軽量化を実現し、このアスリートのBMIを向上させる。最も軽量な構成では、新型911 GT3の重量はわずか1,420kgだ。
8%短いギア比
新型911 GT3の4.0L自然吸気エンジンは、現在の非常に厳しい排気ガス基準に合わせて設計されており、2つのパティキュレートフィルターと4つの触媒コンバーターを装備。この極めてパワフルなエミッションコントロールシステムにより、ポルシェは魅力的なサウンドスケープも実現した。
6気筒水平対向エンジンの出力は、一連の最適化によって達成された。シリンダーヘッドが改良され、911 GT3 RS譲りのシャープなカムシャフトは、高回転域でさらにダイナミックなパフォーマンスを発揮。流量を最適化した各スロットルバルブと最適化されたオイルクーラーも採用されている。
水平対向エンジンは375kW(510PS)の出力を継続。これは、改良された高回転自然吸気エンジンの1kWが、最も軽い車両構成でわずか3.8kg(2.8kg/PS)を動かせばよいことを意味する。また、7速PDKと6速GTマニュアルトランスミッションの最終減速比は、先代モデルよりも8%短縮されている。
どちらのトランスミッションも、911 GT3と911 GT3ツーリングパッケージの両方で選択可能だ。PDK仕様車は3.4秒で100km/hまで加速し、最高速度は311km/hに達する(マニュアルギアボックス仕様車は3.9秒、313km/h)。
ブランドアンバサダーのイェルク・ベルクマイスター氏は次のように述べた。「新型911 GT3は、最適化されたダンパーのチューニングにより、バンプや縁石を乗り越える際の安定性とハンドリングが向上しているため、サーキットではさらに優れた制御が可能になります。アンチダイブシステムは、ブレーキング時のピッチングを著しく軽減します。その結果、あらゆる状況下で車両のバランスが大幅に安定します」
革新的な軽量スポーツバケットシート
新型911 GT3には、可倒式バックレストとCFRP製シートシェルを備えた新しい軽量スポーツバケットシートがオプションで用意されている。シートには胸部エアバッグが内蔵され、高さ調節は電動式、前後調節は手動式で、オプションで3段階のシートヒーターも選択可能だ。
ヘッドレストパッドの一部は取り外し可能です。これにより、サーキット走行時にヘルメットを着用するほとんどのドライバーの人間工学が改善される。ループによるバックレストの可倒機能により、911 GT3ツーリングパッケージ仕様車で初めて提供されるオプションのリアシートシステムにアクセスすることができる。スポーツバケットシートに代えて、アダプティブスポーツシートプラス(電動18way調整機能付)も選択可能だ。
新型911 GT3のコックピットは、現行911モデルのデザインをベースにしていますが、カレラモデルのようなボタンによる始動ではなく、ロータリー式のイグニッションスイッチを採用。オプションのロールオーバー・バーは、モータースポーツ志向を示す。
中央のデジタルメーターパネルは、明確に構成されたディスプレイと制御コンセプトでドライバーをサポート。コントラストの効いた配色により、レブカウンターとストップウォッチは瞬時に読み取ることができる。
「トラックスクリーン」モードでは、レブカウンターの左右にあるデジタルディスプレイが縮小されて、タイヤ、オイル、水、燃料に関する主要なデータが表示され、シフトフラッシュによってドライバーに最適なシフトタイムを示す。必要であればレブカウンターのディスプレイを回転させ、9,000rpmのカットオフスピードを12時の位置に表示することも可能だ。
911 GT3および911 GT3ツーリングパッケージの多彩なパッケージ
ポルシェは911 GT3にさまざまな装備パッケージを用意。今回初めてヴァイザッハパッケージが設定されたことで、911 GT3はサーキットで使用するためにさらに個性的な構成が可能となった。
リアアクスルのアンチロールバー、カップリングロッド、シアパネルは、ルーフ、リアウイングのサイドプレート、エクステリアミラートップシェル、ミラートライアングル、フロントエリアのエアブレードと同様にCFRP製になります。さらに、レザーとRace-Texのトリムがインテリアを視覚的に向上させる。
911 GT3のダッシュボード上面は、初めて反射防止のRace-Texで覆われます。CFRP製ドアハンドルと収納ネットにより、軽量化するためにインテリアドアパネルを最適化し、CFRP製ロールケージやマグネシウム軽量鍛造ホイールもオプションで用意された。
911 GT3ツーリングパッケージには、ライトウェイトパッケージを用意。ルーフがエクステリアカラーと同色に塗装され、スタビライザー、カップリングロッド、リアアクスルのシアパネルがCFRP製となる。マグネシウム軽量鍛造ホイールと軽量ドアパネルもパッケージの一部だ。
標準装備の6速GTスポーツギアボックスとの組み合わせで、911 S/Tの短縮ギアレバーが使用される。ギアレバーの前の“Leichtbau”と刻まれたプレートがパッケージを示す。
リアウイングを装備した911 GT3には、サーキット走行用のクラブスポーツパッケージが追加料金なしで利用可能。リアにはボルトで固定されたスチール製ロールケージ、ドライバー用の6点式シートベルト、手持ち式消火器が含まれる。パッケージにはオプションの軽量スポーツバケットシートが必須だ。
「新型911 GT3は、さらに爽快で個性的になりました。私達は細部まで徹底的に調査し、お客様が望む多くの機能を実現しました。これにより、GT3をドライバーの目的や好みにさらに具体的に適合させることができます」と、GTカー部門責任者のアンドレアス・プレウニンガー氏は語る。
専用クロノグラフは「手首にまとうスポーツカー」
911 GT3と911 GT3ツーリングのオーナーは、スポーツカーのデザインと性能を手首に反映させた卓越したポルシェ デザインの腕時計を購入することが可能だ。911 GT3クロノグラフと911 GT3ツーリングクロノグラフは、フライバック機能を備えたCOSC認定の精密なポルシェデザインムーブメントWERK 01.200を搭載。
超軽量チタン製ケース(オプションでブラックチタンカーバイドコーティングを施すことも可能)は、スポーツカーのデザインと現代の時計製造技術を融合。イエローのアクセントと六角形の構造を備えたGT3デザインの文字盤は車両のメーターパネルを想起させ、巻き上げ式ローターはGT3のリムのデザインに基づいている。
ダイヤルリングは、911 GT3とツーリングパッケージのすべてのエクステリアカラー、およびPaint to Sampleプログラムのカラーで利用可能。オリジナルのポルシェインテリアレザーと糸を使用して作られたストラップは、それぞれの車両の構成にマッチしている。
◆新型「ポルシェ911 GT3」 希望小売価格(消費税込)
911 GT3:7速PDK/6速MT、右/左ハンドル=¥28,140,000-
911 GT3ツーリング
パッケージ:7速PDK/6速MT、右/左ハンドル=¥28,140,000-
※2車種とも、予約受注開始は2024年内を予定。
お問い合わせ先:ポルシェ コンタクト
0120-846-911 https://www.porsche.com/japan/
文・CARSMEET web編集部/提供元・CARSMEET WEB
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