スズキは2024年10月16日、BセグメントのクーペタイプのクロスオーバーSUV「フロンクス」の発売を開始した。このニューモデルは2024年7月からティザーキャンペーンを開始し、全国で事前展示を行ない、プロトタイプの試乗会も実施するなど、スズキとしては異例の取り組みをしており、この新しい小型コンパクトカーに対する意気込みの強さを感じさせられる。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
発表会に登壇した鈴木俊宏社長(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

フロンクスは、2023年1月にインド・モーターショーで発表され、インド市場における上級モデル販売チャネル「Nexa(ネクサ)」で販売が開始された。

フロンクスはインドのグローバル・モデル生産拠点のグジャラート工場で生産され、インド市場以外にも中東、南アフリカ、南米、オーストラリアに輸出しているグローバル戦略モデルだ。インド市場ではヒット作となっているが、ようやく日本仕様が発売されることになった。なお、フロンクスはトヨタのインド市場、アフリカ市場向けにOEM供給も行なわれている。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

フロンクスは、これまでのバレーノと共通の「HEARTECT B」プラットフォームを採用し、グローバル市場向けに企画されている。ちなみに、バレーノは日本では販売が終了しているが、インドでは継続生産されている。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

搭載エンジンは、インド市場では1.0Lターボ、1.0Lターボ・マイルドハイブリッド、自然吸気1.2L、自然吸気1.5L、自然吸気1.5Lマイルドハイブリッドという4種類がラインアップされているが、日本市場向けは1.5Lマイルドハイブリッドのみとなっている。

日本市場向けの1.5L・4気筒のK15C型+12Vマルドハイブリッドは、101ps(4WDは99ps)/135(4WDは134)Nmを発生。スターター・ジェネレーターは3.1ps/66Nmを発生し、エンジンをアシストする。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)
スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

トランスミッションはパドルシフト付き6速AT。スポーツモード・スイッチを備え、このモードではよりエンジン・レスポンスを向上させている。駆動方式はFWDと、グローバル市場では存在しない国内専用4WDをラインアップ。

日本では雪国での4WDの要望が多いことに応えている。4WDはスイフトと同様のビスカス式を採用している。その4WDモデルにはスノーモード、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールという3モードを追加。燃費はWLTCモードで19.0km/L(4WDは17.8km/L)だ。

ボディサイズは、全長3995mm、全幅1765mm、全高1550mm、ホイールベース2520mmで、Bセグメントのミニマム・サイズになっており、日本市場ではA+セグメントのロッキー/ライズとほぼ同等で、ホンダのWR-V、ヤリスクロスなどよりは小さいサイズにまとめている。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

全長を4m以下に抑えているのはインドにおける税制で有利になるためだが、日本市場でもBセグメントが肥大化している傾向に対して、よりコンパクトで市街地でも扱いやすい点を訴求しており、最小回転半径も4.8mとBセグメントでトップレベルの小回り性を実現している。こうした点もフロンクスの優位点になっている。ラゲッジ容量は210L、ラゲッジボードを取ると290Lとなる。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

なお、コンパクトなボディサイズでありながら、後席の足もと空間を確保。そして車内の静粛性を高めるためにダッシュインナーサイレンサーや遮音壁などをボディ各所に配置し、クラストップレベルの車内静粛性を実現している。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

ボディ・フォルムは、Bピラー以降のルーフを後傾させ、リヤハッチドアも前方に倒し込むことでクーペスタイルを採用。そして個性的なフロント・マスク、前後フェンダー部の大きな張り出しを強調。競合モデルが多いBセグメントSUVの中で埋没せず、存在感をアピールできるようにしている。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

インテリアは、質感を感じさせるブラック×ボルドー色の配色により、スポーティさ、質感の高さ、SUVとしての力強さを生み出している。

インスツルメントパネルのミドル部に硬質な金属フレームを表現した高輝度シルバー塗装を採用。エアコンルーバーガーニッシュやインサイド・ドアハンドルガーニッシュなどのトリムにはパールブラック塗装を採用。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

また、シートはシルバーステッチ処理のレザー調表皮+ファブリック表皮、レザー調ドアアームレスト表皮の採用などにより、一味違う質感を表現している。

サスペンションはフロントはストラット式、リヤはトーションビーム式で、4WDのみは前後スタビライザーを装備し、FWDモデルはリヤ・スタビライザーはない。タイヤは195/60R16で、外径640mmとし、SUVらしいタイヤサイズとし、最低地上高は170mmとしている。

サスペンションは、インド市場向けは大入力に対応する仕様で、日本向けは舗装の段差などの小ストロークの入力に対応すると同時に、電動パワーステアリングも路面との接地感を重視したスポーティなチューニングにしている。またホイールハブもインド市場向けは4穴タイプ、日本仕様では5穴とし、剛性を高めている。

フロンクスは運転支援システムも最新版を搭載。デンソー製の広角単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせ、検知対象を車両や歩行者、自転車まで拡大し、交差点での検知にも対応した衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を標準装備している。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

高速道路での運転をサポートする、アダプティブクルーズコントロール(ACC)「全車速追従機能・停止保持機能付」や車線維持支援機能、ブラインドスポットモニター、低速時ブレーキサポート(前進・後退)なども標準装備している。

その他に、スマートフォンの置くだけ充電、スマートフォン連携ナビ、さらにスズキ・コネクテッド・サービスなども採用し利便性を高めている。

フロンクスは、価格、性能、利便性、扱いやすさなど総合的に競合モデルに対して高い競争力を持つニューモデルということができる。

スズキ 新型フロンクスを発売 競合ひしめくBセグメントで存在感を発揮
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

価格

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(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

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