軍事アナリストによると、ウクライナ軍は人員と弾薬の不足に苦しんでいる。ウクライナ東部のハリコフ、ドネツク、ルハンシク地域で軍隊を指揮するユーリー・ソドル将軍は、「敵の数はわれわれの7倍から10倍だ」というのだ。

ゼレンスキー大統領は6日、歩兵の日、ウクライナ軍の屋台骨である守備兵に祝意を表した(2024年5月6日、ウクライナ大統領府公式サイトから)

ゼレンスキー大統領によれば、武器、弾薬の不足ではウクライナの一発に対してロシアの十発の砲弾という状況だ。チェコのウクライナへの砲兵イニシアティブは現在進行中だが、数週間内に多くの砲弾を提供できる見込みはない。ポーランドの軍事専門家ムジカ氏は「戦場では砲撃は最小限に抑えられ、しばしば司令官によって許可を受けなければならない状況だ」と説明していた。弾薬の配給制といった感じだ。

バイデン米大統領は4月24日、ウクライナ支援法案に署名した。これを受け、米国は約610億ドル規模のウクライ支援に乗り出す。ロイター通信によると、第一弾として約10億ドルの兵器供給として、車両、対空ミサイル「スティンガー」、高機動ロケット砲システム向けの追加弾薬、155ミリ砲弾、対戦車ミサイル「TOW」および「ジャベリン」などが既に承認されたという。

米国からの軍事支援は時間がかかるだろうが、ウクライナに届くだろう。その軍事支援は守勢に回るウクライナ軍に再び武器と弾薬を提供するだろうが、戦争がさらに長期化した場合、果たして米国からの軍事支援がいつまで続くかは分からない。ムジカ氏は「ウクライナの弾薬庫が完全に空になる前に、米国からの数十億ドルの支援パッケージが届けばウクライナにとって救いだが、不均衡を軽減するのに役立つが、それ以上ではない」と、米国の支援パッケージに対して過大な期待を戒めている。

問題はウクライナ軍の兵士不足だ。インスブルック大学の政治学者、ロシア問題専門家のマンゴット教授は4月28日、ドイツ民間ニュース専門局ntvでのインタビューで、「ウクライナ軍の兵士不足は欧米の軍事支援では解決できない問題だ。ウクライナ軍は少なくとも10万人の兵力が新たに必要だ」という。