ナルシストたちは「もっと俺に注目してほしい」「私は仕事ができる」などと口にするものです。
これくらいであればまだ可愛いものですが、極度なナルシストたちは「俺は唯一無二の才能を持っている。誰も俺のようにはなれない」「私はいつも絶対に正しい!だから他の人が間違っている!」「いつか自分は世界中の人から認められる存在になる」と考えたり、発言したりします。
なぜ彼らは、そのような誇大性(自分自身の能力や価値を実際以上に高く評価すること。非現実的な優越感)を示すのでしょうか。
アメリカのハーバード大学(Harvard University)心理学部に所属するエレン・F・フィンチ氏ら研究チームは、ナルシストたちにとって、「大げさな言葉」や「大げさな空想」が、気分を調整するための効果的な手段となっていることを発見しました。
研究の詳細は2023年10月18日付の学術誌『Frontiers in Psychiatry』で発表されています。
目次
- ナルシストたちが示す「非現実的な優越感」の影響を調べる
- 極度のナルシストたちは「非現実的な優越感」により気分を持ち直すのが得意
ナルシストたちが示す「非現実的な優越感」の影響を調べる
自分が好きで、自己評価が高い人を「ナルシスト(またはナルシシスト)」と呼ぶことがあります。
そして私たちが出会う人々の中には、この傾向がかなり強い人もいます。
そのような極度のナルシストたちは「私はいつも正しい」というような”非現実的な優越感”を持っています。
では、そのような極端な思考や感覚は、当人の内面にどのような影響を与えているのでしょうか。
フィンチ氏ら研究チームは、この点を調べるため、193人の参加者(18~40歳)を募集しました。
まず参加者たちは、質問票などの回答から、ナルシシズム、自尊心、感情状態のレベルが測定されました。