いま日本が直面しているのもファシズムではなく、原発停止でエネルギーが不足し、与党のポピュリズムで軽減税率によって政府債務が拡大するジリ貧状態である。潜在的には日本の財政も社会保障も破綻しているが、世界的なゼロ金利に救われている。しかしこの状況が、永遠に続くことはありえない。
大衆に迎合して問題を先送りしていると、そのうち本物の危機が来るだろう。安倍首相に似ている近衛が内閣を投げ出した1941年、彼の後を受けた東條英機首相が、財政・エネルギーのジリ貧を打開するために開始した日米戦争が、日本をドカ貧に陥れたのだ。