自らを「神の子」と称するカルト宗教のリーダーはどこに身を潜めているのか――。指名手配中のアポロ・キボロイの捜索の過程でこの教団の驚くべき地下施設が明るみになっている。
■潜伏中のカルトリーダーを大規模捜索
フィリピン国内に600万人の信者がいるとされている新興宗教団体「イエス・キリスト王国(Kingdom of Jesus Christ、KOJC)」のリーダー、アポロ・キボロイは、未成年者を含む女性の人身売買に関与し、性行為を強要していたとして2021年11月に米FBIに起訴されている。
キボロイと彼の弁護士は、彼と宗教団体に対する刑事告発を否定し、それらは教祖と教団に敵対するグループによる捏造であると主張して後、身を隠したまま今日に到っている。
フィリピン国家警察(PNP)はこれまでキボロイの捜索にことごとく失敗しているのだが、この8月24日には2000人もの警察官を動員してダバオ市ブハンギンにある同教団施設内への強制捜索に踏み切った。
敷地内への進入の際、待ち構えていた信者たちとの間で小競り合いが起き、敷地外で1人の信者が心臓発作を起こして死亡し、負傷者も出る中、信者18人が拘留された。
その後、当局による大掛かりな捜索が行われたが、大聖堂、学校、居住エリア、格納庫、ダバオ国際空港に通じる誘導路を含む約30ヘクタール(30万平米)の敷地内でキボロイを見つけることはできなかった。
捜索の過程で、教団施設の広大な地下施設の詳細が明らかになっている。
地下施設は少なくとも地下3階まであるとされ、さまざまなタイプの部屋が数多くあり、当局は捜索中に監禁されていた2人の女性を救出したことをアナウンスしている。
この地下施設の全容を当局はまだ把握できておらず、まだいくつもの未発見の部屋があるものと推測される。レーダー探知機を使った捜索では、地下約30メートルの場所に20~30人ほどの人物がいることが検知されたという。このグループにキボロイが含まれている可能性は高そうで、当局はキボロイがこの施設のどこかに身を潜めている考えを崩していない。
同教団は米カリフォルニアを拠点とする偽の慈善団体が集めた資金を用い、フィリピンで女性を勧誘して渡米させ、人身売買を行っていたといわれている。FBIの起訴状には、共謀、児童の性的人身売買、強制による性的人身売買、詐欺と強要、結婚詐欺、マネーロンダリング、現金密輸、ビザ詐欺などの容疑が含まれていた。
今回も発見には至らなかったが、当局は捜索の手を緩めることはせず、近く再び大規模な強制捜索を行う見込みだ。気になるのは国際空港と繋がっている通路があることで、あのカルロス・ゴーンのような海外逃亡劇が起こり得る可能性はゼロではないのかもしれない。キボロイと同教団が今後どのような動きを見せるのか気になるところだ。
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
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