小田急電鉄株式会社(以下、小田急電鉄)が、意外な分野で社会貢献を行っています。

同社は10月7日、社会問題化している鳥獣による農林業被害を減らそうと、獣害対策サービス「ハンターバンク」を全国展開することを発表しました。

「ハンターバンク」は同社沿線である神奈川県小田原市で、獣害に悩む農林業者と、狩猟経験の浅いハンターをマッチングするというプラットフォーム。鳥獣による農林業被害を社会課題としてとらえて行っているという事業を全国へ拡大します。

経験の浅いハンターと獣害に悩む農林業者をマッチング

イノシシなどの獣害に悩む農林業者と会員(ハンター)をマッチング。現在は約200人が登録しているというハンターは、狩猟経験が浅い、または狩猟の場を持てない人びとだといいます。

マッチング後は、農林業者の土地に箱わなを設置し、捕獲を待ちます。普段の餌まきや見回りは農林業者が行い、害獣が捕獲されると、会員ハンターが現地に向かう仕組みだそうです。

2023年度はイノシシ30頭を捕獲

同社はハンターへの技能指導やイベント運営などで活動を支援し、現在は13件の農林業者に箱わなを設置しているといいます。

2023年度、市のイノシシ捕獲計画数の約5%にあたる30頭を捕獲。みかんなどの食害対策に貢献したということです。

全国展開に向け現地運営パートナーを募集

小田急電鉄はサービスの全国展開を目指し、各地域での運営を担う「現地運営パートナー」の募集を開始。法人・個人を問わず、地域内で5カ所以上の箱わな設置場所を確保できれば応募可能だということです。

現地運営パートナーには小田原でのノウハウを提供し、会員ハンターの呼び込みも支援するとしています。鉄道会社による獣害対策という意外な挑戦は、地域課題解決のモデルとして今後注目されそうです。

ハンターバンク公式サイトはこちらから

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