ノワールなハイパフォーマンス
ロールス・ロイスは、ゴーストのマイナーチェンジに併せ、そのスポーティ・エディション「ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズⅡ」を発表した。
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ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズⅡのスタイリングは「控えめながらもインパクトのある」もので、最も重要となるのはフロントのロア・グリルとされている。この部分はブラック・バッジ・ゴーストで初めて独自のスタイリングとなっており、ロア・ブレーキのエアインテークは新たな形状で、2本のダークトーンのクローム・ストリップがブラック・クローム・フレームで囲まれている。
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ブラック・バッジの特徴である、ブラック・クローム仕上げの各ディテール(スピリット・オブ・エクスタシー、パンテオン・グリル、側面の「バッジ・オブ・オナー」等)は、無論このゴーストでも健在だ。この効果を生み出すため、ステンレス製の基材に浸漬させるクロームメッキ工程に特殊なクローム電解液が導入され、各パーツは手作業で精密に研磨される。
このモデルでは初めてドア・ハンドルにもブラック・フィニッシュが施され、「世界で最も破壊的なスーパー・ラグジュアリー・カー」のノワール(暗黒)なムードを強調。その足元を飾るのは、部分ポリッシュ加工の施された22インチ、7本スポークの鍛造ホイールであり、スポーク形状が細く、「力強い」ディスク・ブレーキをはっきりと見せるデザインとなっている。
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スピリット・オブ・エクスタシーもダーク仕上げのインテリア
インテリアにも、ブラック・バッジの「ダーク」かつ「テクニカル」な表現は、控え目ながらも広範囲にちりばめられている。それを最も表現すると言えるのが、新しいクロック・キャビネットだ。ここにはアナログのクロックとライトアップされたスピリット・オブ・エクスタシー像が収められ、ブラック・クローム仕上げとなっている。このディテールは、SPIRIT(スピリット)オペレーティング・システムが統合されたセントラル・インフォメーション・ディスプレイと並んで配置される。
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ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズⅡは、ガラス製フェイシアの下からインテリア全体に施されたテクニカル・カーボンの仕上げも特徴のひとつ。ブラックのボリバル・ウッドをベースにカーボン・ファイバーとメタル・ファイバーを用いて、「複雑でありながら控えめなダイヤモンド・シェイプの織り合わせ方」が考案されている。
樹脂コーティングされたカーボンと、メタル・コーティングされた糸で編み込まれたリーフ模様は、ダイヤモンド模様に手作業で敷き詰められているという。各パーツは100℃の圧力下で1時間硬化させた後、表面をサンド・ブラストして6層のラッカーを塗装、手作業で研磨し、磨き上げられるとのこと。
インテリアのメタル部分には、ダークな色合いを実現するために、物理蒸着法と呼ばれる高度な技術を使用。ダッシュボードとリア・キャビンのスピーカー・グリルや通気口の周囲がその例であり、経年による変色・変質はないという。
また、ブラック・バッジ仕様でも、標準のゴースト・シリーズⅡで選択可能となった新しいマテリアルが使用可能だ。たとえば、ロールス・ロイス独自の竹から作られた革新的なレーヨン生地「デュアリティ・ツイル」も選ぶことができる。また、シート・レザーに小さな穴を開けて、ユニークなアートワークを施す革新的な現代工芸技術「プレースド・パーフォレーション」も同様となる。
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大胆かつ力強いエンジニアリング
ブラック・バッジ仕様のゴースト・シリーズⅡでは、強力なV12エンジンをハイパワー設定で搭載しており、標準のゴーストより29ps高い出力と50Nm高いトルクを発揮。他のブラック・バッジ・モデル同様に、ギア選択レバーにある「Low」ボタンでギアシフト速度が増加(スロットルを90%まで踏み込んだ時に50%)するほか、エグゾースト・システムの音量が広がり、ドラマチックなドライビングを演出する。
このパワーを活かすため、足周りにはブラック・バッジ・プラナー・サスペンション・システムを採用。ゴースト・シリーズⅡと同様、フロント・サスペンション・アセンブリの上部に独自のアッパー・ウィッシュボーン・ダンパー・ユニットが組み込まれており、ロールス・ロイス特有の“魔法のじゅうたんの乗り心地”をさらに素早く生み出すという。またブレーキのバイトポイントを引き上げ、ペダルトラベルが小さくされているとのことだ。
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文・CARSMEET web編集部/提供元・CARSMEET WEB
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