台湾のエネルギー供給は日本よりもさらに脆弱だ。
台湾のエネルギー備蓄は極めてお寒い
エネルギーの9割以上が化石燃料の輸入によるものだ。残り少ない原子力も2025年には脱原発政策が完成して全て消滅してしまう。再生可能エネルギーは2.7%しかない(下図)。
エネルギー備蓄も貧弱だ。海上封鎖されると、台湾は11日でLNG火力発電が止まり、40日で石炭火力発電が止まる。すると発電の8割が失われる。もちろんいざという時には節約しながら使うにしても、3カ月も持たないだろう。
ところが当の台湾はどうかというと、どうも危機意識が感じられないのが心配だ。9月19日にBS TBSの報道1930に筆者が出演した際、台湾安全研究院国防戦略・資源研究所長 蘇紫雲氏が取材班のインタビューに答えている(動画の36分ごろ)。
ここでは「太陽光発電を増やす」「有事には工場への電力供給を止めて発電できる期間を7か月まで伸ばす」と述べている。
だがこれで本当に大丈夫か? 太陽光は不安定であるし、いつ起こるか分からない台湾有事に間に合わない。また工場を止めてしまえば、経済活動にも軍事行動にも重大な支障を来す。
脱原発を止めて原子力活用に舵を切るとか、石炭の備蓄を増やすといった対策こそ、必要なのではなかろうか。