エンジンはタイプごとに詳細なオイル仕様があり、欧州の自動車メーカーはACEA規格をベースに技術要件、社内試験、 実地試験を追加した仕様をカーメーカー認証として定めています。そのエンジンのパフォーマンスを最大に引き出すためには、カーメーカーが定めた仕様に沿ったオイル、つまり承認されているオイルを選ぶことが重要です。また、企業の自己責任のもとで自己承認を行っているACEA規格に比べて、カーメーカーで検証を経て承認されたオイルの方がより安心して使うことができます。
ACEA(欧州自動車工業会)は、欧州を拠点とする主要自動車メーカーを代表する組織で、欧州の潤滑油メーカーはACEAの定めるエンジンオイル基準を遵守する必要があります。
A/B(ガソリン/ディーゼル車両)またはC(GPF/DPF対応、低汚染物質の省エネタイプ)とエンジンごとにカテゴリが分かれており、基本的にはその後に続く数字が大きいほど、新しく、上位グレードとなります。
EUが新しい排出ガス規制を導入したり、新しいエンジンオイル技術が生まれるたびに、ACEAは新しいオイル規格を発行しています。
注意しなければならないのは、上位グレードだからといって全ての性能要件を満たしているわけではなく、例えばC2規格のエンジンにC3規格のオイルは適合しない場合があります。
アウディのエンジン規格は「VW 50X.0X」の承認番号で表され、フォルクスワーゲンと共通しています。
この規格では、「ガソリンエンジン」と「ディーゼルエンジン」、そして「標準オイル」と「交換スパンの長いオイル」が非常に細かい仕様によって区別されています。
数字が大きいほど新しく、より高い性能が要求されています。ただし、新しいVW 508.00とVW 509.00に下位互換性はありません。
たとえば、VW 507 00はVW 505 00の性能をカバーしますが、VW 509.00はVW 507 00とVW 505 00の要求性能全てのカバーはしていません。
必ず車両説明書で承認番号を確認し、適した仕様のオイルを選びましょう。
アウディのエンジンは、整備間隔の延長と環境への配慮に特に注力しています。粒子状物質や窒素酸化物の排出を抑えたエンジンの開発がされており、それに適合したオイルの使用が重要です。これらのエンジンが内部をキレイに保つために、オイルには特殊な性能が求められるためです。