明治安田J1リーグの町田ゼルビアを率いる黒田剛監督は、高校サッカーの名門、青森山田高校を1995年から率いて全国高校サッカー選手権大会を3度制覇し、2023年1月に同校を退任。その直後、町田の監督に就任し、同年のJ2リーグを優勝してクラブ史上初となるJ1への挑戦権を手にした。そんな名将に対して、青森山田時代を超えるレベルの批判や誹謗中傷がなされているが、Jリーグクラブとしての洗礼はそれだけには収まらなかったようだ。
10月14日に東京都内及びオンラインで行われたトークイベントの中で黒田監督は、「過去に室内でのミーティングの音声を録音され、週刊誌に売られたことがあった」と語った。そのため、ミーティングの際はパワーポイントなどを使いながら、伝えること全てを口頭で話さないようにするなど、細かい所にまで気を配っているという。もちろん、こうしたツールを駆使するのは話の内容を選手に分かりやすく伝えるためという意味が強いだろうが、ミーティングのやり方を工夫しているのはこうした背景もあるとのこと。
クラブのミーティングの内容は戦術面や試合に臨むメンバー、時には怪我人等の情報など多くの機密情報が含まれているため、当然外部に流出してはならない。
また、黒田監督は戦術面や自分たちが掲げているミッションなどを共有するため、ミーティングに多くの時間をかけている他、選手達とのコミュニケーションなどにも非常に気を配っているようだ。J1での戦いが1年目ながらここまでの成績を残しているのは、そんな背景が理由となっているのかもしれない。
町田は、J1第34節終了時点で勝ち点60を獲得し、現在3位に位置。首位のサンフレッチェ広島とは勝ち点差5、2位のヴィッセル神戸とは4ポイント差のため、残り4試合の結果次第で逆転優勝の可能性も十分残っている。ロングスローを行う際の時間稼ぎやFW藤尾翔太がPKを蹴る際、ボールに水をかける問題など、何かとSNSで話題となってきたが、J1昇格1年目ながらシャーレを掲げることはできるだろうか。残り4試合に注目が集まる。