前大阪市長の松井一郎(前維新の会代表)が東京14区で、萩生田元政調会長の応援に入って話題になっている。維新からは、前回の総選挙で国民民主から出馬して次点となった佐藤由美氏(元葛飾区選出の民主党都議)が出ているにも、かかわらず、都議・府議だった時代から親友だという萩生田氏の応援に入ってショックを与えた。
政界引退をしてからの松井氏は、維新の党籍も離れているとはいえ、維新としてはクリーンなイメージを打ち出しているところだけに当惑する人も多いし、一方、いかに劣勢を伝えられているとはいえ、党公認の候補者がいるのに、創立メンバーで前代表だった松井氏が他党の応援というのは、ともすれば、候補者に冷たいと言われがちな同党だけに、佐藤氏を気の毒に思う人も多い。
一方、埼玉4区では、上田前知事の支援も受けて維新から出馬の総務官僚・渡辺泰之氏のもとに、叔母で元滋賀県知事・現参議院議員の嘉田由紀子氏が応援に入った。嘉田氏は埼玉県本庄市出身で京都大学入学と結婚を機に関西に移り住んだが、渡辺氏はその実家の跡取り息子だ。
総務省に勤め、コロンビア大学留学で小泉進次郎元環境相の先輩に当たり、高槻市副市長や東京五輪組織委員会に勤務したが、「親による子の連れ去り問題」を取り上げ、欧米の政府も動かしてハーグ条約批准や共同親権の実現に成功した実績を持つ。
また、最近になって岳父がソフトバンクの孫正義氏であると雑誌によって報じられて密かな話題になっている大物だ。
叔母の嘉田氏は国民民主、ついで、教育無償の会に所属していたが、このほど前原誠司元外相らと維新の会に合流したので、正々堂々と甥の応援に駆けつけた。
門閥の立派さでは、今回の新人候補でもナンバーワンといわれるのが、大分二区の広瀬健氏。父は広瀬勝貞・前大分県知事で、祖父は広瀬正雄・元郵政相。先祖は日田市で幕末に咸宜園という私塾を経営して大村益次郎や清浦奎吾など錚々たる人材を送り出した広瀬淡窓の弟で塾の経営も支えた広瀬久兵衛。そして、母親は林義郎・元蔵相の妹なので林芳正官房長官の従姉妹ということになる。神戸製鋼所に勤め、米国留学、中東勤務などの経験がある。