ドライブに出かけた3人家族はどこへ行ったのか。乗り捨てたと思われる車の中には多額の現金と、家族の愛犬が取り残されていたのであった――。
■幽霊屋敷に住む一家が謎の失踪
2009年10月8日、米オクラホマ州ユーフォーラ在住のジェイミソン一家（夫：ボビー・ジェイミソン、妻：シェリリン、娘：マディソン）は自家用車のピックアップトラックに乗り込んで屋敷を後にしたまま戻ることはなかった。
失踪の数日後、一家の車がオクラホマ州ラティマー郡某所で放置されているのが発見された。ジェイミソン一家の遺体は見つからなかったが、車内には数日間飲まず食わずの彼らの愛犬と、家族全員のIDカード、財布、携帯電話、GPSシステム、約3万2000ドル（約480万円）の現金が残されていた。ここで車を降りた一家3人はどこへ行ったというのか。
ジェイミソン一家の屋敷にはホームセキュリティが設置されており、10月8日の防犯カメラの映像を検分すると、夫婦が出発に向けて車に荷物を積み込んでいる姿が記録されていた。
映像には妻のシェリリンが茶色のブリーフケースを車内に置く様子も映っており、加えて彼女は拳銃を所持していたこともわかっているのだが、乗り捨てられた車の中にはそのどちらもなかった。茶色のブリーフケースと拳銃を持って車を降りたことになる。
一帯の捜索が行われたが、一家の行方の手がかりはまったく見つからずに迷宮入りとなった。
家族が行方不明になってから4年以上経った2013年11月に、2人のハンターによってラティマー郡の人里離れた地域で2人の成人と1人の子供の白骨遺体が発見された。現場は車が乗り捨てられた場所から5㎞ほどの距離であった。
当局は2014年7月3日に、遺体がジェイミソン一家のものであることを確認したが、遺体の腐敗が著しかったため、死因は特定されなかった。一家はここで殺されたのか、それとも一家心中を図ったのか。
ジェイミソン一家に何が起きていたのか。
伝えられるところによると、失踪前に夫のボビーは父親との間にトラブルが起きており、裁判沙汰になっていた。しかし警察は、父親が家族の失踪に関与していたとは考えていないという。
また彼らが行方不明になる少し前に、ボビーは牧師に屋根の上に幽霊を見たと話し、家の中に幽霊が出るのではないかと恐れていたともいわれている。一家で出かけたことに幽霊が関係しているのだろうか。
さらには、シェリリンは悪魔教のバイブルを購入しており、ボビーはそれを読んだと牧師に話していたため、この奇妙な失踪の動機に魔術が関係しているのではないかと考える者もいるようだ。
実際に何が起こったのかについてはさまざまな説があるが、有力な手がかりは未だに得られないことから、事件の真相は永遠に謎のままであるのかもしれない。
文＝仲田しんじ
提供元・TOCANA
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