あるいは、萩生田がLGBT問題についての「変節」したと批判し、ビラを八王子市内で撒いた深田萌絵にも自民党名で上から目線の手紙を送ったとうことについても、厳しい反撃をされジュネーブの国連機関でも批判のスピーチをされている。

このあたり、相手が弱いとみて上から目線で対応して、失敗したともいえる。

ここで野党が幅広い支持を得やすい候補に調整すれば勝てたのだろうが、スターリンの名をひきついでヨシフという名だといい、拉致問題での独自の動きにも賛否があって無党派層を引きつけるには問題がある有田芳生では、勝たせたいと思わない人も多いということに救われるかもしれない。

残りの清和会幹部では、松野博一元官房長官はもともとクリーンな政治家として通ってきたし、政倫審でも説明もしたので、公認は得られたが、都市部の選挙だけに苦しさもあるし、公認がとれているだけに萩生田氏のような危機感に乏しく、それが意外な苦戦になって予断を許さない。

外部からの応援は原則、断ってきたようだが、岸田文雄元首相が応援に入った。内閣の要であり、清和会とのパイプだった松野を官房長官から外さざるをえなくなったのが岸田内閣崩壊のきっかけになったともいえるわけだし、そもそも、清和会の事務総長というのを重要ポストという誤解につぶされたようなものだ。

禊ぎを受けた清和会所属議員が適切に適正な扱いを受け党内融和が実現するためのキーパーソンとなるべき存在だけにこの人は大事にしたい。

西村康稔元経産相は非公認にはなったが、不記載額はわずか100万円でこの金額で非公認は厳しいとかえって同情も集まっている。事件後もフットワーク良くお詫び行脚もしており、公明党もいちはやく推薦を出した。もしトランプ政権になった場合の関係を律するキーパーソンの一人だ。

状況が明るいのは、世耕弘成元参議院幹事長。事件の発端となって有罪判決を受けた、松本淳一郎清和会事務局長を送り込んだだけに批判も強いが、二階俊博の息子が公認を得たところに無所属で乗り込み、背水の陣が評価されたか、いまのところ優勢らしい。これまで選挙の応援に参加できなかった元民主党所属参議院議員だった林久美子夫人も投入している。