現在発売中のウエイトトレーニング専門雑誌『月刊アイアンマン2023年3月号』ではJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のトップ選手84名の「プルオーバー実態調査」を掲載している。
プルオーバーとは馴染みのない筋トレ種目と思う人も少なくはないだろう。しかし、アーノルド・シュワルツェネッガーが「自身の胸囲147cmにはプルオーバーの実践が必須だった」と語っている重要な種目でもある。
今回、同誌で行われた調査では、トップ選手84名の回答から、「71名(約84.5%)がプルオーバーをトレーニングメニューに取り入れている」という結果が得られた。さらに、「プルオーバーを過去に実践していたが、現在はトレーニングメニューから外した」と答えた選手は1名だけという結果からもプルオーバーが支持されていることがうかがえる。
ここでは、同誌で掲載しているプルオーバーに関する体感の一部を紹介しよう。
まず、最も多くの選手が「背中の広がりを体感している」と回答。メンズフィジーク日本チャンピオンの伊吹主税選手は「肩甲骨が動いて背中の広がる感覚が強くなるので、ダンベルとケーブルのプルオーバーを行っています。背中の広がりが良くなった気がします」とコメント。アウトラインが重要視されるメンズフィジークの日本チャンピオンが背中の広がりを得たことからも、その効果は折り紙付きだろう。プルオーバーの効果は背中だけじゃない。女子フィジーク日本4位の荻島順子選手は「胸全体に厚みが出てきたと思います」、クラシックフィジーク175cm超級日本チャンピオンの白井寛人選手は「三頭筋、広背筋、胸、腹筋がよくみえるようになりました」と背中以外にも様々な部位への効果を体感できる種目であるという結果がみられた。
さらに、プルオーバーの効果は筋肥大に関することだけではなく、メンズフィジーク172cm以下級日本チャンピオンの長澤秀樹選手は「他の種目でも広背筋に刺激を入れやすくなりました」、クラシックフィジーク175cm超級日本3位の上田夢希選手は 「特に大胸筋種目全体の動作の質が上がりました」と他の種目への影響を体感として挙げる声も多かった。
これだけ多くの体感が得られるプルオーバーだが、どのように行えばいいか分からないという人もいるだろう。背中を狙ったやり方、胸を狙ったやり方もあり、プルオーバーは奥が深い種目でもある。同誌ではボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手がプルオーバーの正しい行い方を解説しているので、これを参考にトップ選手の多くが体感を得ているプルオーバーに挑戦してみてはいかがだろうか。