難易度が上がっている学級経営

かつては、そんな先生でも担任できるクラスが多くあった。しかし、近年学級経営は難しくなっている。スマホお守りの影響か、フルタイム共働き家庭の増加か、はたまた権利意識の高進かはわからない。しかも、現場はかつてない採用難である。

技術も伝承されず、難易度だけ上がっては、できる先生とできない先生の差は開くばかりである。

最近、やたら専科(音楽や図工、英語、算数少人数)の先生や、特別支援系の先生が増えている。時代のニーズを捉えてのことだろうし、プロフェッショナルな先生も多い。が、しかし、その中にどう見ても学級経営に困難を感じている人物がかなり紛れ込んでいるのだ。(繰り返すが、多くの専科の先生はしっかりしている)

しかし、難易度の高い学級をマネジメントできる教員は圧倒的に不足しているし、現在はそういった教員に負担が集中するようになっている。

今さえよければよいという短絡

現在の校長や教委はトラブル回避に躍起になっている。保護者や地域からのクレームを必要以上に怖れている。彼ら彼女らは、それで逃げ切れるからいいだろう。けれども、こういった担任ができない先生が増えていったときにどうなるのだろうか。そういった先生でも担任ができるように指導するのが管理職・マネジメントの役割ではないのだろうか。

現在の学校人事は、遠からぬ将来とてつもなく大きな禍根を学校現場に残すことになる。いち早く是正が望まれる。すでに被害に遭っている児童生徒は多いのだから。指導力のある先生に当たればラッキーで、そうでなければ学校不信になるという悪循環は、悲劇以外のなにものでもないだろう。

文・中沢 良平/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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